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※注 意※ 時間軸的にはfuku3229と繋がってますが。特に見なくても平気です。 スレでもらった意見を元に改良します。 精進します。 虐待されない、頭の良いゆっくりが居ます。 鬼井山がなんか万能です。 それでよろしければしたへどうぞ。 朝~ 「「「ゆっくりしていってね、あさだよ、おにいさん」」」 飼いゆっくりに朝起こすように伝えた結果がこれだよ・・ 「うっせ、声量さげろ饅頭。寝起きでストレスがマッハなんだよこの野郎・・・・」 「ゆっ。いごちゅういするよ。ごめんね。」 無駄に利口な奴だけきよって。制裁できないじゃないか・・・・。 腹減ったことだし、飯作りますか。 「オラ、居間行くぞ。飯だ飯」 「「「ゆっくりりかいしたよ」」」 朝~鬼井山宅 居間 「「「「「おはよう!ゆっくりしていってね!」」」」」 「NiceDay.だがうっせぇぞ饅頭 献立はどうする?」 「むきゅ。ぱちぇはとーすととこーちゃがいいわ!」 「わたしもとーすとがいいわ、なんならてつだいましょーか?」 「じゃおぉおおおおおん!」 「うー!うー!」 「うー・・・・ あまいの」 「れーむはおいしければなんでもいいよ!」 「まりさもそれでいいよ!」 「ようするになんでもいいんだねわかるよー」 「ちーn「黙れ饅頭」みょん・・・・」 「まぁ、おにいさんにまかせるわ。のうさぎょうのつづきをしたいのよ」 うわぁ・・・頭のいいゆっくりを労働力として雇い始めた結果がこれだよ・・・・ 「・・あー、適当にこの前の野良ゆっくりとパン、紅茶。 これでいいか?」 「「「「「ゆっくりそれでいいよ!!」」」」」 「はいはい、五月蝿いぞ饅頭共・・・」 さって。パンは焼いて・・・・野良ゆっくりはれみりゃ、ふらん、ゆうかにまかせて・・・ 紅茶どうしよう・・・・俺が入れる・・・・? 「むきゅ。おにーさん。こうちゃのいれかたをかいておいたわよ」 なん・・・だと・・・? 「・・・好意はありがたいけど字になってねーぞ」 「むぎゅっ・・・・」 「・・・・・・アラビア語みてぇ・・・」 「・・・たぶん、あらびあごなのよ・・・。」 まぁ、いいか。 紅茶なんぞなくても気にしなかろう。 朝~ 鬼井山宅 朝食後 「ごちそーさん。 おそまつさま。」 「「「「「ゆっくりごちそうさまー!」」」」」 さーて、楽しく無い農作業とゆっくり捕獲が今日もはじまるお・・・・ 「むきゅっ!ゆうか、れみりゃ、れいむ、まりさははたけしごとよ!ゆっくりがんばってね!」 「ふらんとぱちぇで買出しいってこい 紅茶のレシピと小麦粉やらなんやら。メモに纏めたから。」 「ゆゆっ、ありすたちはおるすばんかしら?」 「ん~・・・狩り手伝わせるわけにもいかんし・・・」 さて、どうしたもんか・・・ まぁ、留守番でいいかな? 「レイパー饅頭とゲス饅頭に気をつけて留守番頼んだ」 「ゆー。だれかー!おにいさんのりょうじゅうとあみもってきてー!」 「うー!」 「ぱちぇ。いくよ」 「そうね。いきましょう」 「ゆゆっ!あみがからまったよ!」 ~~~~~~中略~~~~~~~~ 「行って来ます 暗くなる前にはかえらー。」 「「「ゆっくりいってらっしゃい!」」」 昼~ ゆっくりの森 広場 日差しが強い。帽子もって来るべきだったかな? とりあえず里から受けてる注文のゆっくりは・・・? 「えー・・・れいむ4匹 まりさ2匹 ・・・・?」 一般的だな 数も少ないし娯楽用も取れるかね? 移動も開始しよう。グズグズ独り言いっててもゆっくりはひっかかんない。 ザッ、ザッ、ザッ。 さて、手持ちは、縄、網、折りたたみ透明な箱×12、 動物を狩る事も考えて猟銃もある、活躍しないだろうが さて、木々が多くなって万年落ち葉があるところに出たらそこはゆっくりがいる。だろうなぁ。 「ゆっ!だれかいるよ!」 「ゆゆっ!にんげんさんがいるよ!」 「にんげんはおかしをおいてゆっくりかえれだぜ!」 お、御出ましだ。れいむ種とまりさ種は十分な数だ。 後はありすとれみりゃ、みょんとちぇんだ。 あー・・・肉まんの豚饅頭もほしいなぁ・・・ 「ゆゆっ!おかしおいてかえれっていってるのわからないの?ばかなの?」 「ゆゆっ!たぶんみみがとおいんだぜ!めーりんとどうしゅなんだぜ!」 「ユーックスクスかわいそうなにんげんさんだね!ゲラゲラゲラ」 Oh...俺のストレスがマッハでマックスなんだが。 「「「ゲラゲラゲラゲラゲラ!」」」 「黙れ糞畜生饅頭 黙ってれば付けあがりやがって。見るも無残な喋る饅頭にしてやろうか!?あ゙ぁ゙!?」 「「「ゅっ・・・・」」」 よーし、やっぱどのゆっくりも怒鳴られると萎縮するのな。おもしれぇなぁ。饅頭の癖に 「うるさいんだぜ!さっさとでてけだぜ!」 「そうだz「シャルァアアアアアップ!!!!!」ゅぅううう!!」 硬直してる間にどんどんしまっちゃうよー。 箱の中からだせー!とかきこえんのはきのせーだ。 とりあえず脅しておくか。うぜぇしうっせぇ。 「ゆっくりだせよこのくそじじい!」 「DastToDast って言葉しってるか?」 「しらないんだぜ!だせっつってるだろ!それぐらいもわかんないのかこのくそじじい!」 「ちりはちりに。 糞饅頭なんだから饅頭らしく黙れこのサノバビッチ!」 ゲスの娘(?)なんだからあってる・・かねぇ? とりあえずしずかになったんでさっさと移動移動。 ザッザッザッ 「ふれてぬれてまほうをかけてー♪『いいからはやく か・け・て?』」 あー、ありすかちぇんでてきてくんねぇかなぁー・・・ 「んほぉおおおおおお!!!」 ビクッ! 近くで発情してるレイパーがいるなぁ・・うるせぇなぁ・・・ 「やべでぇええええええ!!だずげでざぐやぁああああ!!」 「ばがだだいどぉおおおおおお!!(わからないよー!)」 「んぼぉおおおおおおおおおおおぉおおぉぉおお!!」 さて、ここいらで割り込むか。 「Hey、Hey. いい日だな!糞饅頭共!ぶち殺してくれようか!」 ゆっくりゃとちぇん回収完了。 ちぇんは一匹だからこれでOK,ゆっくりゃは俺のサンドバック。 「ぼうやべでぇええええ!!」 「ばがりだぐ、だいよぉおおおお!(わかりたくないよー!)」 レイパー3匹だけど・・・つかみたくねぇなぁ・・・ 「おい糞畜生2匹」 「ゔぅうううう!!やべでぇええええ!!ざぐやぁああああ!!」 「わがらだいよぉおおおお!!」 うっせぇ・・・ 「静かに、俺の問いに答えろ糞饅頭。答えないならレイパーの群れに返してやるよ」 「んほっ!」 うぜぇ。 「「はぃいい!!ごだえばずぅうう!!」」 「お前等、静かにできるか?」 「「できばずぅうう!!!」」 「じゃぁ俺が許可するまで黙れ。いいな?」 「ばぃいいいい!!」 残りはレイパー共だ。 えーと。ゆっくりは生きていればいいって条件だったな。どういう状態でも。 手持ちの薄力粉をゆっくりどもにぶちまける 「ゆゆっ!さらさらしててんほぉおおおおお!!」 「さらさらんほぉおおおお!」 「・・やっべくっついた!」 「プーックスクス」 マジコント・・・・ よし。どろどろしてないみたいだから仕舞いますか。 「だじでぇえええええ!!!」 「だが断る。」 ~~~中略~~~ 夕方~ 鬼井山の家 「おい良い子にしてたか? 饅頭共ー!」 「「「「「ゆっくりおかえりなさい!!」」」」」 うん。出かける前とかわってない。あらされて無い。オッケーイ。 「ふらーん!ぱちぇー?いるかー?」 「うー・・・つかれたー・・・」 「ゆ?いるわよ?」 「このゆっくりしまっといて」 ゆっくりの袋詰めを渡して。このゆっくりゃを拷問部屋にもってって。 飯はあまった饅頭共でいいかね? 「ちぇーん。れみりゃー」 「なにかようなんだねわかるよー」 「うー!うー!」 「鍋に水入れて沸かしておいて。」 「わかるよー!」 「うー!うー!!!」 「ありーす、ゆうかー!」 「よんだかしら?」 「なに?ようじ?」 「この饅頭洗って鍋んなか入れといて」 「とかいはてきにりかいしたわ!」 「まぁ、いいでしょう」 よし。フリー時間きた。これで虐(か)つる 夕方~ 鬼井山の家 虐待部屋 「おい豚 起きろ」 「うぅー? どこだどぉー?」 お、おきたおきた 「此処は俺の家、の虐待部屋だ。喜べ」 「うぅー!そんなことよりぶっでぃ~んもっでぎでぇ~♪」 うっぜぇ・・・・ 「おい豚、此処にお前の望むものは一つも無いぞ、喜べ」 「うぅうう!?ぶっでぃ~ん!ぶっでぃ~んぼっでぎでぇえええ!?ざぐやぁぁぁぁああああ!!」 ストレスが、すとれすががががががががが・・・ 「黙れよ糞畜生!テメーは半永久的にサンドバック兼非常食なんだよ!判ったらしゃべんじゃねぇ!」 ここで随分前に咲夜さんにもらったナイフをちらつかせる 「うぅ!?ざぐやどないぶ!?」 わかんのかよ?! あ、ちなみに本物な、紅魔館に甘いもの大量に届けたらお嬢様のリボン付きでもらえた。 あそこは家のお得意さんだし。西行寺に持ってくとき並にもってっても平気だからうへへへだよ。 「まぁ、このナイフでお前を達磨にするんだが。気分はどうだ?」 「やべでぇええええええ!!!ないぶいやぁああああ!!」 うっせぇなぁ・・・・ さっさとやりますか。 れみりゃの頭にフックを突き刺してぶら下げて。胴を縛ってそれを支えにフックに吊るして・・・ ~~~~中略 ・・・すいません。実力不足です・・・OTZ~~~~ 「やべでぇええええ!!おろじでぇええええ!」 無視、さっさと足を捥ぐ 無論手で。 ぶちぶちぶち・・みちみちみち・・・ぶちぃっ! Oh....油が・・・油が・・・・ 「いぎゃぁああああああああああああ!!!ざぐやぁあああああああああああああ!!」 もういっかい!もういっかい! ぶちっ!みちみちみちみちみち・・・・ぶち・・・ぶち・・・・ぶちぃっ! 「でびぢゃのぶでてぃーなおあじがぁああああああああ!!ぼうやべでぇえええええええええ!!」 「かなーしみーのー、むこーうーへとー♪」 音痴だって?そんなのかんけーね!ってな。 腕・・・はだるいから切っちゃうか。 俺の腕が良く無いから上手く切れるが不安だがな!! みちっ!ぎちぎちぎちぎち・・・ずばっ! 「ぎゃぁあああああああああああああああ!!ざぐぎゃぁああああああああああああ!!」 もうい(ry 今度は刺してみよう ずぶっ!みちみちみち・・・ずばっ! 「うぅううううううううううううううううううううぅうううううううううぅうぅ!!」 Wow 良い声で鳴いてくれる うん。達磨にしたんだ。 達磨といえばなんかそんな拷問があった気がする 「おい豚饅頭」 「ぶだじゃだぃいいい!ざぐや、ざぐゃあああああああああああああ!!」 「シャラップ。傷口に塩、熱した鉄ってどうなるか。しってるか?」 「じらだぁいいいいいいいいいい!!おうぢがえどぅうううううううううう!!」 「シャーラーップ。・・・そうだ。今から行う拷問に耐えたらプリンやるよ」 「ゔ~!ぶっでぃ~ん!ぶっでぃ~んぢょうだぁ~い!」 「拷問に耐えたらね。 やるか?やらんか? ちなみにやらなかったらプリンは目の前で潰す」 「ゔ~・・・・やる!」 さっきまでの痛みでも学習して無いと見た。 へっ。糞饅頭め・・・見てるだけでイラついてくるコワしたくなる・・・・ OK,落ち着け俺。この拷問が終わったら自由だ・・・・ 「拷問のルールを説明する。ギブアップ・助けて・もういや・帰る。このどれかをいったらお前の負けだ。 俺の好きな事をお前にする。 これからお前にこの熱した棘付きの鉄の棒を差し込む。4本耐え切ったらお前の勝ちだ。 お前の好きな事をしてよいとする。」 「ゔ~!ざっざどはぢめるんだぞぉー!」 コロしタい・・・・ 「じゃぁオコトバニアマエテ・・・・」 ずっ・・・・ 「うぎゃぁああああああああああ!!!」 ずずず・・・・ずず・・・ず・・・ 「いっぎぃいいいいいいいいいいいいいい!!」 ずず・・・みちっ・・・・みちみちっ・・・ブシャァッ! 「ぎゃあああああああああああああ!!ざぐやぁあああああああああああ!!」 あぁ・・・・この叫び声を聞くために鬼井山やってるといっても過言ではなうっ・・・ ふぅ。 ずずっずずずずずず!! 「いぎっ・・・・・はひっ・・・」 あ、壊れた?・・・面白くない。 えーっと。肉まんだけどオレンジジュースでいいのかな? 「おらよ。さっさと復活しろ。これで回復しなかったら俺の勝ちだからな?」 「うぅっ・・・・ざぐや・・・・だずげで・・・・」 たすけにこねーよ。野良だもん。っていってやりたいけどそれは勝ってからだな 「2本目行くぞー」 ずずずっ! 「いぎぃぃいいいぃいぃいいいいいいいあいあいああああああああおおおおぉおおおお!?」 お、やっぱ熱した鉄に塩はキツかったか。反省反省。 「まーんーじゅー。まだまだおわんないぞー?が・ん・ば・れ(はぁと)」 ずずずずずずずずん!!! 「うううううううううううううぅううううううううううううぅうううううううう!!!!!!」 おー、おー、耳が・・・鼓膜が・・・・ 耳栓を用意すべきだったか・・・・ ずずずず・・・・ずずずずずずず!!! 「ぼういびゃぁあああああああああああああ!!おうぢがえどぅうううううううううううう!!」 ギブアップか・・・・ 「ギブアップ?降参?俺の勝ちでいいんだな?」 「ぶっでぃんいだないがだぼうがえぢでぇええええええええええええ!!おうぢがえどぅううううううう!!」 あー、まだ叫べるんだな? 「んじゃぁ俺の好きにさせてもらおう。俺の勝ちだしな?」 「あ・・・・・あ゙あぁ・・・・・」 饅頭って青くなるのね・・・キモい・・・・・ まぁ、俺の自由だね。さっさと殺して料理するかぁ! 「いびゃぁああああああああああああああああああああ!!!・・・・う~?うー!!うーうー!!」 チッ。精神崩壊起こしやがった 面白く無い・・・ 「ゆっくり だれでもいい。来い」 「ゆ、ゆっくりきたy・・・なにごでぇえええええええええ?!」 あ、れいむがきた。 れいむは最近来た饅頭だったな? 初心者にこのルナティックな光景はキツいか。 「拷問後だ。この豚を食料にしろ 今日食っちまおう」 ずるずるずるっ!ずるずるるっ! とりあえず鉄の棒ぬいたからこれで運べるだろう。 「おい、運べ」 「はぃいいいいい!ゆっくりしないではこびますぅうううう!!」 だめっぽいな。 「みょーん。みょーん?」 「おちん「反省ってもんを知らんのかこの腐れ饅頭」みょん・・・」 後で「躾け」が必要かね・・? 「れいむを手伝え。俺は片付けてから行く。」 「みょん!みょみょん!」 さて。静かになったね。 はぁ。ゆっくりって。どうしてあんなに。もろくて。おもしろいんだろうね。 あしたもいじめられるかねぇ・・・・? END 後書き~ 途中テンションが変わってますね。すみません。 とりあえず虐待モノは一気に書かないといけないですね。教訓にします。 鬼井山たちのプロフィールを書かせていただきます。 鬼井山 ドS 英語好き 甘党。ゆっくりがいなくなるなら俺も死ぬ。っていうぐらいの甘党 器用貧乏 お菓子作り、日曜大工、しつけ、世渡り術。なんでもござれ。 東方キャラと縁がある。 けーねの寺子屋で教育されて、 白玉楼と紅魔館はお得意さまで。あっきゅんとは同じ趣味。 鬼井山のゆっくり 虐待SSとかで頭がいい故に裏切られて殺されるっていう分類の奴等。 9歳児ぐらい並には頭がいい。 鬼井山に助けられたゆっくり。 作者 鬼井山暦の薄い鬼井山 虐殺のケがあるかもしれない。 え?そんなことどうでもいいって? ですよねー^^ orz 作者 半年ROM(半年ROMれなかったけどこの名前で行く事にします。 このSSに感想を付ける
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出勤前にモーニングコーヒーと洒落込むべく、今日は早めに家を出た。 会社最寄り駅近くの喫茶店は出勤者向けに早くからやっている。 そこでトーストにスクランブルエッグで軽く朝食を取って、それからブラックをゆっくり味わおう。 しょせんは大したものではないが、こういうのは気分が大事なのだ。その程度の事で優雅さを味わえるのだから、素直に味わった方が利口だ。 時間は十分にある。 今日は随分と暖かく晴れていて良い気分である。俺と同じように駅に向かう出勤者も何となしに起源良さそうに見える。 橋に差し掛かると対岸の道路に何やら人だかりが出来ているが見えた。 あれは何だろうか。電柱の周りで、十四五人ばかり各々その先の方を見上げている。 よく見ると電柱のてっぺんには一匹のゆっくりがおり、「わからないよー!わからないよー!」と泣き叫んでいた。 本当に分からない。 猫が登って降りられなくなるというのは良く聞く話だが、何で饅頭生命体があんな所に登る事が出来るのだ? しかし……俺は考え直した。そもそもゆっくりなのだ。饅頭が動き、言語を解するのだ。 それを思えば電柱に登るなど大した事でないのかもしれない。 マンションだろうと這い上がってくる奴らだ。 それにしても、馬鹿は高い所が好きと言うが、わざわざ表現してみせる事もないだろう。 橋を渡り、人だかりに近付くと、その輪の中、電柱の根本にはもう一匹のゆっくりが泣き叫んでいた。 「ちぇえええん!ちぇえええええんッ!」 何やら尻尾のようなものを沢山生やらかしたゆっくりが、電柱を見上げてひたすら叫んでいる。 その顔は傷だらけで、帽子は薄汚れ所々すり切れた後が見える。そして近くにこいつのものと思しき尻尾が二本ほど転がっていた。 俺は不思議に思い足を止めた。そうして人だかりに加わってしまった。 なぜこのゆっくりは傷だらけなのだろう。二匹はどういう間柄なのだろう。 一方の疑問は直ぐに解消された。 真下で泣いていたゆっくりは突然泣き止むと、その場を後ろに下がり、勢いを付けて電柱に突進したのだ。 助走を付けてジャンプし、ゆっくりらしからぬ見事な跳躍を見せ、そのまま電柱に激突した。 傷だらけになるわけだ。 「らんしゃまあああ!」 電柱の上から「ちぇえん」と呼ばれたゆっくりの泣き声が聞こえる。 「らんしゃま」と呼ばれたゆっくりは痛みにぐるぐる回っていたが、そのうち止まってまた泣き出した。 俺は素早く見物人の顔を見回した。 饅頭とはいえ、他者の不幸を見て機嫌良くなる奴というのは気持ちの良いものではない。 まあ俺もよくゆっくりを不幸にしているのだが、それとて仕方なしに投げ込んでいるのだ。 だが皆の顔は真剣そのものだった。老若男女、一様に真面目な顔をしている。 沿線の私立の制服を着た小学生達など、「頑張れ!」と声を掛けている。 世の中捨てたものではないらしい。 まあここの住民はよくゆっくりを不幸にしているのだが。 「らんしゃま」は再び電柱に距離を取った。 小学生のうち一人が電柱に向かって飛び、一歩二歩駆け上がる動作をしてみせる。登り方を教えているらしい。 ゆっくりは再度助走を付けた。 「ちぇええええん!」 今度は角度も良く飛び付く事が出来た。その勢いで電柱を駆け上がる。 そして二メートル程登ったところで勢いが尽きてそのままずり落ちてきた。 頭を地面に打ってひたすら回り続けるゆっくり。今度はさっきより回る時間が長い。 その傍らには新たにもげた尻尾が落ちている。 上の方からは相変わらず「わからないよー!」と泣き声が聞こえてきた。 三回目。 今度は電柱との距離を倍にとって勢いを稼ぐつもりのようだ。 相当早いスピードで電柱に飛び付く。角度も上々。 「らんしゃま」は、これならてっぺんまで上れるだろうという勢いで、電柱に刺さっている足場の鉄棒に激突した。 尻尾が何本かバラバラ降ってくる。 そのうちの一本が、登り方を教えていたのとは別の小学生の頭に落ちてきた。 その子供は帽子の上にのっかった尻尾を手に取りまじまじと見つめ、「おいなりさんだ。」と言って食ってしまった。 「おいしい。」 そんなもの食って大丈夫なのか。 それはともかくとして、苦痛から立ち直った「らんしゃま」はまじまじと電柱を見やっている。 障害物の位置を確認しているらしい。 段々上達しているし、こいつはそれなりに学習能力があるようだ。 見物人は一人として立ち去る者もなく成り行きを見守っている。 会社とか学校とか大丈夫なのか。 四回目。 既に満身創痍な「らんしゃま」だったが、尻尾が減ったせいか俊敏になった気がする。 今度は更に早いスピードで飛び上がって、螺旋を描くようにして電柱を駆け上がっていった。 鉄棒も見事にかわしてゆく。 三メートル、四メートル、どんどん登ってゆく。 そして電線や変圧器などの構造物も難なくかわした。 見事としか言い様がない。 だが回避行動よって勢いが無くなってきた。 九割がた登ったところでほとんど止まってしまった。 「らんしゃまあああッ!」 見物人は、俺も含め固唾をのんで見守っている。ここから落ちたら助からないのではないか? 「もう一息だ」と、全員の心が一つになったような気がした。 「ちぇええええんッ!」 「らんしゃま」は叫ぶと最後の力を振り絞って蹴り出した。 そうして残りの一割を一気に飛び越え、とうとう頂上に辿り着いた。 「らんしゃまあ!」 「ちぇえん!」 周りからは拍手喝采が沸き起こっている。 増えて二十人になった見物人達は、良くやった、頑張った、と皆満足そうだ。 だが全員すぐに不安顔になった。見るとゆっくりは不安定にゆらゆらゆれている。 「わからないよ!わからないよー!」 「わからないよー!」 あー。 あいつも降りるときの事考えてなかったんだな。 電柱の頂点に二匹は狭すぎたようだ。 ゆっくりはしばらくゆれていたが、そのうち耐えきれなくなって、ふっ、と落下してきた。 「わ゛がら゛な゛い゛よ゛!」 「ヴュッ」という生々しい断末魔と共にゆっくりは揃って地上に還ってきた。 「あーあ」と、全員の心が一つになったような気がした。 「ちぇえん」は「らんしゃま」の下敷きになってしまった。 「らんしゃま」は下敷きからころんと転がって、仰向けで「ゆっ……!ゆっ……!」と呻いている。 「ちぇえん」は俯せになって身じろぎもしない。 しばらくすると「らんしゃま」は横目で「ちぇえん」を見つめ、何か語りかけだした。 しかし素人目に分かるが即死である。どうも惨い結果になってしまったようだ。 「行こっか。」 ばつの悪い顔で即死と瀕死の二匹を眺めていた見物人は、小学生を先頭に早々と立ち去っていった。 ここの住民はドライだなあ。 現場には俺と二匹だけが取り残されてしまった。 歩行者が何人かこちらを見たりもするが、特に関心も示さず通り過ぎてゆく。 「ちぇ……えええん……」 「らんしゃま」はひたすら語りかけているが、当然のように反応は無い。 なんだか見るに忍びない姿だ。仕方ない。 死体をひっくり返せば一目瞭然なのだろうが、さすがにそれは酷な気がする。 俺は傍にしゃがみ込んで、既に分かっている事だが、改めて死体を確認してから瀕死のゆっくりに向かって首を振って見せた。 「ちぇえん……」 どうやら理解出来たらしい。手間が省けて助かる。 こいつも尻尾を全部失った上に、頬や額が裂けていて助かる見込みは無いだろう。 俺は立ち上がって右足を上げた。武士の情けとか仏心とか、そんなところだ。 俺を眺めていた「らんしゃま」は怯える事もなく、むしろ急かすように目を閉じた。 間抜けな割に妙に理解の良い奴だ。 止めを刺した後、あの世で仲良くやってくれと思いつつ二匹を川に投げ込んだ。 潰れた死体はすぐさま水に溶けてゆく。 そして俺は駅とは反対の、家に向かって歩き出した。 革靴が随分と汚れてしまったのだ。 こんな格好では会社に行けない。家に帰って靴を磨き直さなければならない。 モーニングコーヒーなどしている時間はもう無いだろう。 俺は陰鬱な気分で家に向かった。 By GTO
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※妄想シーンがあります ※お兄さんがキモく、ウザくなります ※ゆっくりが木から生えます 「ゆっくりが実る木」 ある家の玄関に種が入っている袋が落ちていた。 「うん?」 何じゃこりゃと袋を拾い上げるお兄さん。 すると種のほかに紙が置いてあった。 「この種を植えてください 追伸 おなかがすいているのであればこの木から育った実を食べてください」 それしか書いてなかった。 「へぇ・・・ なんかの果物か? ちょうどいい、腹も減ってるし、金もないから、植えてみるか。」 早速中庭に種を植える。 水とか肥料はバッチリだ。 「へへ、そう簡単にならないのは知ってんだよ。 ま、気長に待ちますか。」 実はこの男、前に木を育てたのだが一ヶ月足らずで駄目になってしまった経験がある。 そんなことは関係ないか。と思い家の中に入る。 そして夜。 何か変な音がした。 「何だ?ゆっくりが忍び込んできたか? いや、違う。ゆっくりがこんな時間帯にくるはずがない。」 なんだってんだよー、ったく と思った後、外を見つめた。 すると植えたはずの木があっという間に育っているではないか! 「な・・・なんじゃこりゃアアアアあアアアアあアアアアアアアアアアアアアアあアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」 しかも立派に育っている。 「やばいってこれ。夢だよ、夢だって、そうさ!いつだってッ!!」 とあわてて家の中に戻り 布団に飛び込む 「だからお休みー」 布団を再びかぶり眠りにつく。 で、翌日。 ぱっと目を覚ました俺は中庭を覗いた。 すると目の前にあったのは・・・ やはり立派な木だった。 「何で夢じゃないのおおおおおおおおお!!!」 ゆっくりのような悲鳴を上げたお兄さん。 さらによく見るともう実がなっている。 「はぇぇ・・・はぇぇよぉ・・・」 この木の成長振りにびびるお兄さん。 よく見ると、その実はどこかで見たような気がする形だった。 「なんかこうウザい感じがするな・・・」 はぁーと、溜め息をした次の瞬間。ぷちりという音がした。 「ん?何の音だ?木の裏側っぽいな、見てみるか。」 と覗くと、黒い髪に赤色リボン。これってまさか・・・ 「ゆっきゅりちていっちぇにぇ!」 一口サイズの小さなゆっくりれいむだ。 「さっきまでいなかったはずのれいむがなぜここに・・・ まさか!」 お兄さんは木の実を見る。 よく見ると、ほかの木の実には黒い帽子、カチューシャ、猫耳帽子、ナイトキャップなどがついている。 これでもう明らかになった。 この木はゆっくりが実る木。 「なんてこった。 俺は大変なものを・・・ あ。」 お兄さんは懐に合った紙を取り出した。 『この種を植えてください 追伸 おなかがすいているのであればこの木から育った実を食べてください』 と書いてあった。 食っていいから大丈夫だよなと思った俺はまりさと思われる実に手を伸ばす。 「よし・・・」 と実をくいっと引っ張った。 すると実は簡単に取れた。 まりさは悲鳴を上げることもなく絶命した。 次に帽子をぽいっと捨てる。 「ゆぅ~にゃにしょれぇ?おいちいにょ?」 と木の実から生まれたれいむがたずねてくる。(以下実れいむ 実まりさなど) 「ん~どだろ。」 ぽいっと口の中へ放り込む。 味はいまいち まだ成長が未発達のせいかそんなにおいしくなかった。 「これ以上増えてもらってはこまるな・・・ 何かいい策はないもんか・・・」 と頭を抱え悩みこむ。 するとお兄さんの家の近くから声がした。 よく見ると一人のお兄さんがれいむとまりさを籠につめ歩いているところだった。 「何してるんですか?」 と問いかけると、お兄さんは苦笑し。 「お前知らないのか。 こいつらを加工所に売り飛ばすんだよ。 そうすりゃ金になる。」 「かごうじょいやあああああああああああああああああ!!」 加工所という単語を聞き暴れるれいむとまりさ 「るっせーな、今楽にしてやるから覚悟しとけ。」 なんてやり取りの後お兄さんはすたこらさっさと逃げていった。 サイドビジネスの予感。 お兄さんは将来の自分を想像した後、とんでもないことを考えてしまった。 「いや、待てよ。 ぽんぽーんと連れて行ったら怪しいって思われて家宅捜索されるんじゃ!?」 創造というよりモロ妄想である サイドビジネスはあきらめた。 金を渡す加工所の気持ちも少しわかった気がする。 「そうだ!木!」 俺はあわてて庭の中へ。 すると実がぽろぽろ落ちてきている。 そしてお兄さんのほうを向いて 「「「「「「「「「「ゆっきゅりちていっちぇにぇ!」」」」」」」」」」 オウ、ノーもう生まれてる。 しかも十匹近く。 でも、こいつらを飼うわけにはいかない 野生に離してもれみりゃが現れるだけ。 どーすんのよ。 殺しまくってストレスを処理しても ぽんぽん増えるやつだから飽き飽きになるだろう。 なので。 数週間後。どこかのマンション トントンとドアのノック音がする。 「うるせーなぁー朝から。つーかチャイムがあるからそれ押せよ。 どんだけレトロな人間だ?お前。」 「すまないなぁ・・・お前が一流の虐待お兄さんとして折り入って頼みがあるんだ。」 「はぁ?」 「友達のよしみってことで・・・ こいつら全部殺してもかまわないぞ」 と差し出されたのは大型サイズの籠にゆっくりたちが無造作に押し込まれている。 「んな!何匹いるんだよ!こいつら」 「んー、50匹くらいかな。」 「キャッホオオオオオオオオオオオオオオオオオオウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!」 友達が歓喜の声を上げる。 「まさかこんなにゆっくりを大虐殺する日が来るとは!!」・・・と。 「あ、こいつら5000円な。 あと前に貸した10000円返せ。 それとこのことは誰にも言うな。」 すると友達はマッハの速さで財布を持ってきて。 15000円を渡した後、強くドアを閉めた。 「・・・いよっし!」 とお兄さんはルンルンと笑顔で帰った。 つまり加工所ではなく友達に売り飛ばせばいい。 秘密にさせておけば家宅捜索なんてないんだぜ!(モロ妄想です) そんな簡単なことに早く気づかなかったんだろ。 なんて思いお兄さんは家に帰る。 そして家に帰り木の本へ戻るお兄さん。 実ゆっくりたちのお帰りコールがあったので適当に返事をし木の本へ行く 「やっほ~ぅ。わがいとしのきよぉ~ かえったぞぉ~」 とでれでれと戻ってみると新しい実が実りつつあった。 「おお、金が実る。金が実る。」 お兄さんは次から次へと実を確認しました。 「おお、今日はちぇん・・・みょん・・・ おお、れみりゃだ。 フランまで。 むふふ・・・ お兄さんはうれしいどぉ~♪」 思わずれみりゃの真似をしたお兄さん さらには踊りまで真似する始末。 「うっうー♪うあ♪う・・・うん?」 お兄さんが何かに気がついた。 見たこともない実がはえていたのだ。 すると近くにいた実ちぇんが現れ実を見るなり 「ら・・・らんしゃまあああああああああああああああ!!」 「・・・は?」 「らんしゃまだ!まちがいないよ-わかるよー」 「なにいってんだここにらんがいるわけ・・・」 といい木の実を見ると 確かにいた。 らんがいた。 他にもゆゆことか、えーりん、ゆかりとかも生えていた。 「てかえーりんがここから生まれてもいいのか!?」 なんてお兄さんは思っていたがそれはどうでもいいとして。 まさに希少種のラッシュ。 売れば相当の金額になるだろう。 あと、どうでもいいができればゆゆこは早く生まれてきてほしい お兄さんのほしいゆっくりランキングナンバーワンだからだ。 お兄さんはルンルンとしていた。 まさかあの木からゆゆこが生まれてくるとはと。 翌日には生まれてくるんだ。 楽しみだな・・・ そして翌日。 お兄さんはウキウキしていた。 早くゆゆこうまれねーかな。 その隣にはちぇんがいた。 早くらんしゃま生まれないかな。 お互いはそんなことを考えていた。 すると実がゆれる。 ついに・・・ついに・・・ ゆゆこが(らんしゃま)が生まれるんだ! 実がぽとりと落ちる。 生まれてきたのは・・・ 「どうも、ゆっくりしていってください わたしはきよくただしい きめぇまるです」 きめぇ丸だった。 場の空気が凍りつく。 ついでにきめぇまるは生まれてきてから言語能力が発達しており生まれたにもかかわらず成体ゆっくりに近いような話方をする。 「なんでらんしゃまがうまれないのおおおおおおおお!?わからないよおおおおおおおおお!?」 ちぇんが半狂乱になっている。 「大丈夫だ!落ち着けちぇん!次こそはらんが生まれるって!多分!!」 「ゆ・・・そうだねーおちつくよー」 (さぁこい!ゆゆこ!!生まれたらお兄さんとゆっくりしようね!) お兄さんはそう思い妄想を開始した。 それはお花畑じゃなくてゆっくりたちのゆっくりプレイス 俺はゆゆこと手(?)を取りながら嬉しく虐待をしていた。 「あはははははははは・・・」 「こぼねー」 ゆっくりたちを踏みつけ、蹴飛ばす俺。 ゆっくりたちを容赦なく食らいまくるゆゆこ まさに俺の人生薔薇色! かもぉーん!ゆゆこ!! しかし、木に変化が起きた。 木が見る見ると枯れ、木が朽ち果ててしまったのだ。 当然実は栄養を受け取ることができなくなり黒ずんでしまった。 らんも、ゆゆこも。 「「うっ、うわああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」 すると玄関近くにチャイムの音が 「はい・・・」 それは郵便局の人だった。 「いたいた。実はあなたにこれを渡すように頼まれまして。では。」 一通の手紙を渡した後、郵便局の人はバイクにまたがり去っていった。 その手紙には 「遅れてすいませんでした。 この木はゆっくりを実らす木ですが 一ヶ月たつとかれてしまいます。 お手数をかけすみませんでした。」 と書いてあった。 それを見たお兄さんは 「なんてこったい。俺のゆゆこがあああああああああああああああああああああああ!!」 ちぇんはもう息もしていないらんに泣き縋る。 「うわああああああああん!らんしゃまあああああああああああ!ゆっくりしてええええええええ!わからないよおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」 お兄さんはその後怒りに身を任せ手紙を力いっぱいに破り捨てた後 、枯れ木などに八つ当たりをはじめ。 最後、暴れすぎたせいか意識がブラックアウトする。 「・・・はぁっ!!」 俺はがばりと起き上がった。 「な、・・・なんだ。」 お兄さんは起き上がり庭を覗く。 気はない、ゆっくりたちの死体もないし、ちぇんもいない。 まさか・・・これは 「夢オチかよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 あとがき 最後は夢オチでした。 ゆっくりの出産方法に茎による植物性出産を考え 木からから生まれたらどうなるだろうかと考え作りました。 夢じゃなかったらどうなることかと俺は思う。 byさすらいの名無し 過去作品 いじめ系2850 ゆっくり油火踊り祭 いじめ系2889 ゆっくりべんじゃー いじめ系2932 すぃー吶喊 いじめ小ネタ542 ゆっくりジェットコースター いじめ小ネタ545 ゆっくりボール いじめ小ネタ546 ゆっくり太郎 いじめ小ネタ553 ゆっくりできない川さん いじめ小ネタ562 ゆっくり草野球 いじめ小ネタ567 ゆっくり瞬殺されるよ! いじめ小ネタ573 金バッチがほしいよ! このSSに感想をつける
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※ご覧いただく前の注意書き※ すっきり描写あり ゆっくり現代入り 以上です。それでは、お楽しみ頂けると幸いです。 ※1/16 fuku4847を一部加筆して、再うp致しました。 by 作者 よし、天麩羅にしよう。 珍しくお金があったので、今日の昼食はリッチにいくことに決めた。 普通、大学の近くにはラーメン屋や定食屋など色々な店がある……はずなのだが、うちの大学の近くには何故か少ない。 電車で1駅行った、うちの大学より何倍も大きい大学の学生街や、反対方向へ1駅の大きな街には食事処が沢山あるのであまり不自由はしていないけど。 普段は学内のコンビニで調達するか電車で食べに行ってしまうが、今日は前から行ってみたいと思っていた天麩羅屋に行くことに決めた。 3限が休講だったので、授業は午前中で終わりである。昼休みに食べに行くと混むだろうから部室に寄り、1時間ほど潰してから店に向かった。 行こうと思っている天麩羅屋は、大学から少し行ったところにある。普段大学の近くで食べるときはファーストフードが殆どなので、なんだか新鮮な気分だ。 大学を出て10分ほど歩き、目当ての天麩羅屋に着いた。 天麩羅は美味しかった。野菜天や海老天をはじめ、どの天麩羅も衣がサクッとしており、塩にも天つゆにも良く合った。 食べ終わって何となくメニューを見ていると、ある文字に目が止まった。 『ゆっくり』 ゆっ……くり? あのゆっくりか? しばらく前に出現した人間の頭みたいな饅頭か? メニューを見てみると、餡子やカスタード、生クリームといった文字も見受けられる。 これはゆっくりの中身だ。ということは、この店はゆっくりの天麩羅も扱っているのだろう。 しかし……どういう物なんだろうか? とりあえず店主に聞いてみることにした。客は僕以外にいなかったので、聞いても営業に差し支えは出ないだろう。 「あの、すいません」 「はい、なんでしょう」 「この『ゆっくり』って奴なんですけど、やっぱりあのゆっくりなんでしょうか?」 「ええ、当店ではゆっくりの天麩羅を扱っておりまして、デザートとして好評を頂いております」 「そうなんですか。饅頭としては食べたことがあるんですが、天麩羅にしている店があるなんて初めて知りましたよ」 「扱っているのは、この辺だとウチぐらいなもんでしょうねー。この辺じゃなければ何軒かは取り扱っていると聞いています」 「へえー。あの、他のに比べて随分と安いんですが、これはどうしてなんですか?」 「ああ、それはですね、他の天麩羅と違って原材料がタダ同然、というか本当にタダなんですよ。捕まえてくればいいんですから」 「そうなんですかー。……じゃあ、餡子とカスタード、それと生クリームを1つずつ下さい」 「わかりました。ちょっとお時間を頂きますが、宜しいですか?」 「問題ないです」 「じゃあ、ちょっと待っててください」 店主は奥に入っていった。 携帯をいじっていたら、奥から声が聞こえてきた。ゆっくりの声だ。 「ゆっ、れいむすっきりしたくないよ! あかちゃんつれていかれるのやだよおおおおお!」 「いやああああ! あいのないすっきりなんてとかいはじゃないわああああ!」 「むぎゅー、ぱちぇもあかちゃんとられるのいやよおおおおお!」 「まりさだってすっきりしたくないんだぜ! でもぶるぶるされるとどうしようもないのぜ!」 「ほら、さっさと子供作れ」 「「「「んほおおおおおおお!!!」」」」 「「「「すっきりー!!!」」」」 「ゆう、ゆう……。またすっきりしちゃったよ……」 「でも……。やっぱりあかちゃんはかわいいわね! とかいはなこになってね!」 「そうだぜ! こんどこそあかちゃんをまもってあげるんだぜ!」 「むきゅー、みんなでちからをあわせれば、おじさんからあかちゃんをまもれるわよ」 「「「そうだね! えいえいゆー!!」」」 どうやら親ゆっくり達が強制的に子供を作らされているみたいだ。ということは、子供を使うのだろう。 強制すっきりから1分半ほど経過した。 「ゆゆっ! あかちゃんのおめめがあいたよ!」 「もうすぐうまれるんだぜ! うれしいんだぜ!」 「みんなにこにこしててかわいいわね! とってもとかいはよ!」 「むきゅん、あかちゃんたちゆっくりしていってね!」 もうすぐ赤ん坊が生まれるのだろう。親ゆっくり達は嬉しそうである。 だが。無慈悲にもその嬉しさを粉微塵に打ち砕く言葉が告げられる。 「はーい、談笑中の所た~いへん申し訳ありませんが、これより赤ちゃんを1匹残らず頂いていきまーす。 いつもの通り、必要な赤ちゃん以外はぜーんいんブチ殺しますので、皆ゆっくりしていってね!!!」 「いやぢゃあああああ!!! あがじゃんもっでいがないでえええええ!!!」 「ゆっ、まりさたちのあかちゃんはまもってみせるのぜ! じじいはあっちにいくんだぜ! ……ごべんなざいいいい!!! もっでいがないでええええ!!!」 ブチブチブチイッ 「いぢゃいよおおおおおおお!!!!」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! ぐぎをどだだいでええええええ!!!」 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛!!! ごんなのどがい゛ばじゃないわあ゛あ゛あ゛!!! ……あ、あがじゃんごろざないでええええ!!! おねがいじまずうううう!!!」 「むぎゅうううう!! ばぢゅりーだぢにぞだでざせでぐだざいいいい!!! おねがいでずがらああああ!!!」 グチャッ 「ゆぴっ」 「ゆぶっ」 「ゆぴゃっ」 「「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!! あ゛がぢゃんんんんんんんん!!!!」」 「「ばだばじべでの゛ごあ゛い゛ざづもずりずりもじでな゛い゛の゛に゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」」 ――カウンターからは見えないが、どう考えても奥は阿鼻叫喚。 茎を引き千切り、まだ生まれていないゆっくりを一匹一匹握り潰す音。赤ん坊の短い断末魔、そして親達が泣き叫ぶ声。 生きてる赤ん坊は親と初めての対面ができないまま全て連れ去られ、他の赤ん坊は生まれる前に全て潰されてしまった。 ゆっくり達にとってはまさに地獄である。 「ほい、じゃあお前らは箱で大人しくしてろよ」 「あがぢゃんがえぢでええええ……」 「ゆぐっ、ゆぐっ……。ごべんねえええ……」 「あがぢゃんだぢ、おがあざんだぢをゆるぢでねえええ……」 「むぎゅー……」 「お待たせしました」 子ゆっくり3匹を持った店主が戻ってきた。すっごく良い顔をしているように見えるのは僕の気のせいか。 「「「ゆっきゅりちていっちぇね!!!」」」 子ゆっくり達は生まれて初めての挨拶をしてきた。……最後の挨拶になるのだろう。 「それを使うんですか?」 「はい、当店では生まれたてホヤホヤのゆっくりを使います。 れいむ種が餡子、ありす種がカスタード、ぱちゅりー種が生クリームです」 「いつも注文を受けてから作ってるんですか?」 「凄く混んでるときは冷凍のを使ったりもするんですが、なるべく生まれたてのを使うように心がけています」 なるほど。究極の産地直送というわけだ。 「ゆゆっ? おじちゃん、このまありゅいのなあに?」 「ああ、それはお鍋っていうんだよ」 「むきゅん、おにゃべしゃんのなきゃにありゅのはきっちょおふりょね!」 「そうそう。さすがぱちゅりーは頭がいいなあ」 「ゆゆっ! おふりょできれいきれいちゅるのはとっちぇもときゃいはにぇ!」 「さあ、お風呂に入る前にこの中に入ってくれ」 店主は3匹に衣をつけ始めた。 「ゆっ! にゃめりゅとおいちいね! ぺーろぺーろ……」 「でもべちゃべちゃできもちわりゅいわ!」 「ありちゅ、きっとすちぇきにゃれでいになるちゃめにはひちゅようなことにゃのよ」 「ゆ、ゆん! ちょっととぼけちゃふりをちただけよ!」 衣をつけ終わり、いよいよ高温の油にダイブする時間がやってきた。 「れーみゅがいちばんしゃきにおふりょにはいりゅよ!」 「れいみゅはれでーふぁーちゅとっていうこちょばをちらにゃいのね! ありちゅがちゃきなにょよ!」 「れーみゅがしゃきだよ!」 「むきゅー、おふりょはおおきいんだきゃら、みんないっちょにはいりまちょうよ」 「ゆう……。ごめんにぇ、ありちゅ! いっちょにおふりょにはいりょうね!」 「ゆ、ゆん! ときゃいはにゃありちゅがいちびゃんちゃきにはいりゅのがのぞまちいけど、どうちてもっていうにゃらいっちょにはいっちぇあげちぇもいいわよ!」 「むきゅん、ふちゃりとも、なきゃよくちゅるのがいちびゃんよ」 饅頭たちの漫才を眺めている間に、揚げる準備が整ったようだ。 「それじゃあ、皆一緒にお風呂に入れるからな。仲良く温まれよ!」 「ゆっ! わかっちゃよ!」 「はやきゅいれちぇね! おふりょできれいきれいちて、もてきゃわちゅりむのぱーへくとぼでーになるんだきゃらね!」 「むきゅー、みんにゃではいりゅのはたのちちょうね!」 「じゃあ、行くぞ」 「「「ゆゆーん♪」」」 「じゃあな」 ボチャン 「「「ゆっ?」」」 「あ゛、あ゛じゅいよお゛お゛お゛お゛お゛!!!」 「や゛べぢぇえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「ぶぎゅう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!」 「よしよし、ちゃんと揚がれよー? おいっしい天麩羅になるんだぞおー?」 うおー、すげ。見て楽しむ面もあるのか。まあ、これを楽しいと思うかは人によるんだろうけど。 「ゆるじでぐだざい゛い゛い゛い゛!!!」 「ごんな゛の゛どがいばじゃないばあ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「ぶぎゅう゛う゛う゛!! みゃみゃだじゅげでえ゛え゛え゛!!!」 「お母さんは助けになんて来てくれないよお? お前らを喜んで差し出したんだから。 君たちは親にとっていらない子なんだよ! ゆっくり諦めてね!」 「ゆえ゛え゛え゛え゛ん!!!」 「ぞんなのう゛じょよお゛お゛お゛!!!」 「ぶぎゅう゛う゛う゛ん……」 揚げられるとやっぱり死ぬんだろうか。聞いてみよう。 「あの、揚げるとやっぱりゆっくりは死ぬんですか?」 「それは個体によりますね。体力の無いぱちゅりー種なんかはほとんどが死にます。 れいむ種とかまりさ種なんかは体力もありますし、衣で保護されてるので意外と死なないんですよ。 踊り食いみたいで食べていて楽しい、と仰るお客さまもいらっしゃいますよ」 「ゆ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」 「ぢぬう゛う゛!! ぢんぢゃう゛わ゛あ゛あ゛!!!」 「ぶぎゅう……。ぶぎゅーん……」 そーなのかー。しかし、店主楽しそうだなー。顔が生き生きしてるよ。 「お待たせしました。こちらがゆっくりの天麩羅です。左かられいむ、ありす、ぱちゅりーとなっております」 揚げたての天麩羅が出てきた。生まれたばかりなので小さくて丸っこい。 「では、頂きます」 れいむから食べることにした。 パクッ 「い゛じゃい゛よお゛お゛!!!」 うおっ、まだ生きてんのかよ。衣で包まれているため、声はくぐもっていた。 ――そうだ。塩塗ってみよ。 「ゆぎゃあ゛あ゛っ!!! ぢみるう゛う゛う゛う゛!!!」 おお、こいつは面白い反応だ。 パクッ 「やべじぇえ゛え゛え゛え゛!!!」 中身が餡子だから当然甘いのだが、しつこくない甘さだ。衣もサクサクしてるし、はっきり言って旨いな。好評というのも頷ける。 パクッ (ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ……) 口の中からかすかに呻く音が聞こえてきた。なるほどなあ。踊り食いかあ。 いやあ、旨かった。次はありすにしようかな。 ありす天を食べようかと思った時、思いついたことがあったので衣をはがしてみた。 すると、中には目を一杯に見開き歯を食いしばっている、『苦悶の表情』という言葉を絵にしたらまさにこれだという顔をしているありすがいた。 ゆっくりに苦痛を与えると甘くなると言うが、これは相当甘くなってるだろう。ただでさえ赤ん坊は甘くて旨いと言うし。 では、いただきます。 ぱくっ 「ゆぎゃあああああ!!!」 意外とカスタードもいけるね。 パクッ 「ごんなのどがいはじゃないばああああ!!!」 ぱくっ (もっちょ、ゆっ、きゅり、ぎゃああ、ゆうっ、ゆっ……。) 奥歯ですり潰してやった。さて、最後はぱちゅりー。 パクッ 「……」 ……おや? 反応が無いぞ? 衣を取って、ぱちゅりーをつついてみても反応が無い。 店主が言っていた通り、体力の無いぱちゅりーは耐えきれずに死んでしまったのだろう。 パクッ これも美味しかった。ただ、他の2匹より甘みが幾分強いので、もしかしたら口に合わないと言う人もいるかもという感想だった。 「ごちそうさまでした。いやあ、予想以上にゆっくりは旨かったですよ」 「そうですか! 捕まえさえすればお家でも出来ますので、是非やってみてください。 調理法は普通の天麩羅と同じです。ゆっくりの繁殖法は分かりますか?」 「大丈夫です」 「それはよかった。毎月1回ぐらいの限定で目玉や飾り、もみあげの天麩羅なんかもお出し致しますので、宜しければまたお越しください」 「目玉……ですか?」 「はい、目玉です。目玉といっても寒天なので、食べても大丈夫ですよ。独特の触感がお客様にウケてます。他のも美味しいですよ」 「色んなのがあるんですねー。ありがとうございます、また来ますよ」 「ありがとうございましたー」 お金を払って店を出た。思ったより値段が良心的だったのでまた来ようと思う。 帰りに天麩羅粉まで買ってしまった。そのうち家でも試してみよう。 家に着いた。っと……? 窓が割れてる? 急いで鍵を開けて中へ入る。中には……いた。ゆっくりれいむとゆっくりまりさ、そしてその子供。 「ここはまりさたちがみつけたゆっくりぷれいすだよ! おじさんはでていってね!」 「でていっちぇね!」 「たべものをくれたらいてもいいよ!」 「おきゃねでもいいよ! いちまんえんだよ!」 ――どうやら、夕飯も天麩羅を食べることになりそうだ。 おしまい あとがきのようなもの お読み頂き、ありがとうございました。 前回書き忘れましたが、感想をくれた方、ありがとうございます。今後も精進していきたいです。 元ネタはアイスクリームの天麩羅です。一回だけ食べたことがありますが、まあアリかな、という感想でした。 それにしても、「天麩羅」とか「蕎麦」って字は旨そうです。書いてて食べたくなってきたので、明日食べに行きたいと思います。 あとがき追記 うpした後に天麩羅を食べに行ったんですが、行くつもりだった店が無くなっていました。ガッカリです。 さらに追記 何回か読んでいたら加筆できそうなところがあったので、一部加筆致しました。 あと、作者名も決めました。今後とも宜しくお願い致します。 今までに書いたもの お星様になってね! すぃーチキンレース by 天麩羅蕎麦
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最近幻想郷にゆっくりとかいう生物があらわれた。 その体は餡子でできてる故幻想郷の食糧事情に貢献したわけだが1つだけ被害を受けたところがあった。 それは菓子屋だ。 ゆっくり増えるよ!by昔話 そして俺は幻想郷で菓子屋を営んでるうちの1つ 名前はわざわざ言うまでもないだろう さて、どうして恩恵を1番受けそうなところが被害を受けているのかというと・・・ カランっ 「あ、いらっしゃいませ~」 「この店もまだお饅頭高いわねぇ 隣町の○○さんのところなんか~」 「はぁ・・・気をつけます」 「次くる時までに安くしておきなさいよね!」 っとこのとうり値段でしか物事を考えないババアに何かと言われるからだ。 利益目的で饅頭の中身をゆっくりにした菓子屋に 小豆から作っているうちの菓子屋が値段で勝てるわけないだろ 常識的に・・・ かと言ってもゆっくりを使っているところは値段をうちの半額ほどにしている (と言っても以前はうちのところくらいが適正価格だったのだが) そういう訳で物は試し 長い物には巻かれろという言葉もあるとうりうちの店も普通の饅頭の半分の価格の ゆっくり饅頭を作ってみることにした。 まず材料として当然ながらゆっくりが必要だ ゆっくりを捕まえるためのエサはうちの店の廃棄品でいいだろう ゆっくり自体はそこら辺の野原に行けばいる っとみつけた 日光がよく当たる位置でぼーっとしている 数は1匹しか見当たらないが自分で作ってみる分には1匹だけで十分だ 「ゆ?おにいさんはゆっくりできるひと?」 「あぁ、その証拠にあまあまを持ってきたんだ 食うか?」 「ゆっ! ゆっくりたべるよ!」 ほれっ そうやって俺は饅頭を作った時のあまりの餡子を放り投げる 「むーしゃむーしゃ しあわせー♪」 そりゃあうまいに決まってるだろ・・・ お前たちみたいにどこから湧いてきたかわからんような餡子じゃなくて 本物の小豆から作ってるんだからな そう思いゆっくりを計画どおり連れて帰ることにした あまあまをやったかどうか知らないが、簡単についてきたのでうるさく騒がれずにすんだ。 とりあえず・・・次は洗えばいいか 饅頭はもっとあまあまをよこせとかどうのこうの言っているけど無視をして 洗面所で軽く洗う 「ゆ? おふろなんだね! ゆっくりするよ!」 「ゆ~ゆゆ~ゆ~♪ ゆっくり~♪」 そういえば底部も洗わんとな そう思いれいむをひっくり返す 「ゆ~ゆ~ゆぎぇ!」 突然ひっくり返したせいか舌をかんだようだ 「どぼじでぞんなごとするのぉおおおぉおおお!!」 よし、次は餡子を取り出すだけだ 何かと喚いてるれいむを無視し台所まで抱えて行く 「ゆ?なんかあまあまの匂いがするよ! おにーさんかわいいれいむにもってきてね!!」 その前に味の確認をしてみないとな・・・ れいむを横に寝かせ髪など邪魔な物がない底部を切断してみる 「ゆぎゃぁぁぁあああああぁあ でいぶのあ゛んよがぁぁあ゛ああ゛ぁあ」 ん、意外とうまいじゃないか この味ならなかなか売れるんじゃないか? あの後ゆっくりから作った饅頭を売ってみたが意外とよく売れた 評判もなかなかよかったので新製品として取り入れようと思うのだが 問題はゆっくりの入手方法だ 加工所で購入するのはゆっくり饅頭の魅力である安さをなくしてしまう 自分で捕まえるのも毎日休みの時間をつぶしてまでやりたくはない 2匹捕まえて子供を産ませるのもエサ代や育つ時間で効率的とはいえない さて・・・どうしたものか そういえば昨日ゆっくりの餡をスプーンでえぐりとっていた時 たしか3分の2ほどまでとってもわずかに生きていたな・・・ もっとも「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」としか言わない壊れた玩具のようになっていたが そしてゆっくりの傷はオレンジジュースで回復する となれば・・・・ 一ヶ月後 裏庭には小屋が完成されてあった 河童の技術は本当に恐ろしいものがある。盟友でよかった。 それで小屋といっても普段想像するような粗末な小屋ではない 外からの見た目はまさにそのような物であるが中は違う まず扉を開けてすぐにボタンがあり、その足元すぐには階段1段分の段差がある そして床はタイル敷きになっていて水をいっさい逃さないようにしている 排水溝も開け閉めは可能だ そして1番の変化は壁にところどころ穴があることだ この穴が何かは後でわかるだろう ともかく今必要なのはゆっくりである 小屋の完成に合わせてゆっくりを1匹加工所から注文をしておいた 注文といっても何か特別なしつけをしたやつではないのだが どうせなら上質の餡子を持つやつがいい 自分で捕まえにいってもよかったのだが注文をした理由はそういうわけだ。 小屋の中に入り、目を覚まさせるために箱からだし声をかける 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっ! ゆっくりしていってね!」 本能に従い目を覚ましたようだ 「ゆゆっ? おにーさんはゆっくりできるひと?」 「あぁ、その証拠におかしがあるのだが食べるか?」 「ゆ! ゆっくりしないでれいむのおかしをおいていってね!!」 適当に持ってきた失敗作をそこら辺に放り投げる 失敗作といっても砂糖が入っているし、食うだろ れいむが生ゴmいや、失敗作をむさぼっている隙を見計らって壁に移動する そう、穴ぼこだらけの壁だ この穴の中かられいむの身長にあわせ真ん中くらいのところの穴に指をいれる 先端がフック状になっており、引っ張ると人間でもよく見ないとわからないような糸がでてきた ピアノ線だ。 これを反対側の壁までひっぱりフックにひっかけると準備は完了だ。 「おにーさんこれじゃあ足りないよ! もっともってきてね!! のろまはきらいだよ!」 と、準備が終わったと同時にれいむは生ゴミを食いつくしたようだ。 そこで隠し持っていたチョコを3分の1ほど割って放り投げてやる 「むーしゃむーしゃ しあわせー♪ おにーさんこのあまあまがもっとほしいよ!」 そこで残りのチョコを見せてみる 「ゆっ! ゆっくりしないでれいむにわたしてね!!」 無視する。 「ゆっくりしないでね! れいむおこるよ!!」 と言って空気を頬に入れプクーっと膨れあがる。 そこでまた無視する。 「もうかんべんできないよ!! ゆっくりもらうよ!」 と、言ってジャンプをして奪いとろうとする それを待っていた。 「ゆっ! ゆっ!」と言いながら奪おうとするれいむをかわし ピアノ線をのりこえてれいむとチョコの中間にピアノ線がくるようにする。 「よし、これを食べれたられいむお前の勝ちだ」 そう言いチョコの位置も今までの人間の手の高さと違いれいむの正面に移動させておく。 「ゆゆっ! こんな高さにするなんてやっぱりにんげんさんはばかなんだね! ゆっくりたべられていってね!」 と言い最後の力をふりしぼり奪い取ろうとする。 がチョコに触れる前にれいむの体に触れたのはピアノ線であった。 「ゆぎゃぁぁあ゛あ゛ぁぁああ でいぶのおめめがぁあ゛あ゛ああ」 どうやら真ん中より少し高くちょうど眼球に位置するところに線はあったらしい それにしても何故まっぷたつにならないんだ・・・?と思いよく見てみるとわかった。 餡子の粘着性のおかげで両断されたのがくっついているだけであったのだ。 ようするに上にのっかっているだけなのだ。 少々遅れて理解し、まっぷたつになったのを手でつかみしっかりと2つに分けて床に置いておく。 そして小屋の外にあるボタンを押す これは維持費に少々金がかかるのだがゆっくりの再生に不可欠なオレンジジュースを 段差の半分ほど満たしておける装置なのだ。 こうして次の日様子を見に小屋にいった。 「「ゆっくりしていってね!!」」 うん、やはり2匹に増えている というか何で一晩ジュースにつかしておいただけで失われた臓器まで再生してるんだよ・・・ 物理的におかしいだろ・・・常識的に とりあえず1匹は捕まえておく すると当然ながらもう1匹の方も反応した 「ゆっ! れいむをはなしてあげてね!! ゆっくりしてないよ!!」 そりゃあ口を押さえているんだからゆっくりおしゃべり(笑)もできないだろ するとれいむの堪忍袋に触れたのかどうか知らないがポインポイン音をたて 足もとにむかって攻撃をしてきた。 「ゆっ! ゆっ! ゆっくりしねぇぇえええ!!」 …こんな饅頭の攻撃に痛みは感じないのだがオレンジジュースがズボンについて正直うっとうしい わざわざ相手にするのも煩わしいのでピアノ線でまた両断させてやることにした れいむの攻撃のタイミングを読み取りうまくピアノ線のところに誘導する 自分が切らないようにうまく足をむこうにどけて…と 「ゆぎぇぇええぇえ!! でいぶのめがぁあ゛ああぁあ どぼじでごうなるのぉぉおおお」 絶叫と共に 双眸は再び裂けた。 そんなわけで本格的に製品化をすることにしたのだが、正直これが売れて売れてたまらない きっとこれは他店に比べると高級店の位置に分類されるうちの店が他の店と同じような値段の新製品を出したことによる ブランド効果もさることながら、事実饅頭の皮と餡子の3分の1は普段使っているようなものと差し障りのない物を使用しているからだろう このことによって他の店と比べ利益率は劣るながらも味の低下は他店よりおさえられることになった これだけやれば例の値段ババアにも喜んでもらえるだろ・・・ 季節が変わりはじめ人々が長い休みを取ることができるような時期になってからそれは起こった。 トゥルルル トゥルルル 「はい? え、もうそんな時期ですか? わかりました… すぐ準備をします」 うちの店では代々店を継いだものは初めのうち数年間は1年間のある時期に1週間だけ 先代の者に教えを請いにいかなければならないという慣習がある これは後を継いだ者が独立したことをかさにして代々の技術を低下させないようにするためのものである そして毎年のことながらこの時期がきたのだ。 そんなわけで例年通りの閉店の準備をする。 一時閉店の張り紙よし バイト君の休暇宣告よし あと食材は・・・適当な菓子にでもしてバイト君へのお土産に持たせればよし 現金は・・・銀行にでも預けておいて あとは店の電気を消すだけで準備は完了。 そして週が変わり・・・ 「ふぅ…」 この日はやっと1週間に亘る技術の確認が終わり店へ戻ることができた日だ といってもまるまる1日休めるわけではなく次の日から再開ができるように準備をしなければならない 張り紙は・・・この日から再開することをかいてあるから問題なし バイト君たちには通達しているはずだが確認のために連絡をしなければならない 食材は・・・全部使い果たしたから改めて今日買わなければならない 現金は預けてあったのを材料費と小銭のためにおろさなければいけない 店の電気は・・・ん? 何で離れ小屋の電気が・・・? 「・・・ぁ・・・い・・・」 小屋に近づいてみると何やら声がする そういえばこの小屋はゆっくりを増殖させるための小屋であったのを忘れていた もしかして店の味の秘密を探るための侵入者であるかもしれない 物音をたてずに扉の前に立ち勢いよく開いてみる この光景はまさに圧巻であった 半身のないゆっくりが幾重にも重なり合い部屋を埋め尽くしている だがそれだけならばまだよかった 部屋の底がゆっくりの再生を促すオレンジジュースの絨毯になっており 再生したと同時に餡子がうごめきあいその衝撃で部屋中にひいたピアノ線で身を裂かれているのだ 「ゆぎぃぃいいいいいいいいいいいい!!!!!!」 「いだぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 「でいぶのおべべがぁあああああああああああああああ!!!!」 「ごべんなざぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 「あやばりまずがらぼうやべでぇええええええええ!!!!!!」 「い、いとさんでいぶのどごろにごなぃでねぇえええ!!」 「ゆ゛っゆ゛っ… ぼっど…ゆっぐりじだがった…」 ゆっくりは餡子が結合していれば痛みは共有する このゆっくり達の叫びは無駄だとわかっていても誰かに変わってもらいたいという嘆き そしてこのゆっくりと目があった瞬間触手のようなものが伸びてきて・・・ 目を覚ますと私は店の仮眠室で横になっていた バイトの話によると私は離れ小屋の前で倒れていたようだ 小屋について聞いてみたがバイトが来た時点では扉は閉まっていたようだ あれから一年 あの日私は離れ小屋のボタンを消して以来扉には近づいていない。
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レミリアは夢を見ていた。 周りのものが大きく見え、自らに手足がない。その夢ではレミリアはゆっくりゃであった。 なぜ夢なのかわかったかというと、自らの意思で話したり動いたりすることができないため。 レミリアはゆっくりゃの視界から景色を見ていた。 夢の内容は、レミリアがフランの一撃を受けた後から始まる。あの後、レミリアは力なく倒れた。 それに対してフランとゆっくり達が駆け寄る。皆泣き喚いて、冷静さを失っていた。そんな中、遅れて近づいてくる影があった。 幽香だ。 幽香が一歩、また一歩と近づいてくる。 周りを見渡すと、向日葵畑が荒らされていた。先ほどのフランの一撃のせいであろう。完全に怒らせてしまったのかもしれない。 フランは完全に血の気が引いて、かちかちと奥歯を鳴らしていた。向こうはまだやる気なのか。 ゆっくりゃの隣でゆフランが怯えている。フランは皆を守ろうと身構えた。けれども、もう戦う体力と気力が残っていないのは明白だった。 それでも姉とゆっくり達を置いて逃げることはしなかった。だが、今襲われたらあっという間に皆殺しであろう。 こっちは満身創痍。幽香はほぼ無傷。最悪の状況だ。 しかし幽香はそのまま通り過ぎてしまった。そして背中を向けたままフラン達に話しかける。 「別にそんなに怯えなくても大丈夫よ。喧嘩を売ったこっちに非があるんだから、畑の事は気にしなくてもいいわ。 それに、弱いものいじめなんてとっくの昔に飽きたもの。」 フランは内心納得しなかった。あんなに好戦的な幽香がなぜこのような心変わりを。 「どういう風の吹き回し?あんたがあっさり引き下がるとはおもえないんだけど。」 「別にあせることはないかなって思ってね。またいつか別の日に続きをしましょう。」 レミリアたちが知る由もないが、幽香がフラン達を見逃す理由、それは幽香はフランの本当の全力を目の当たりにして、 今仕留めるには惜しいと判断したためだった。 フランはまだまだ強くなる。今はまだ精神面で幼いため、すぐに感情的になる。 その場合能力は本来の力を発揮するが、それでは強大な力を完全にコントロールできない。 「そう、あなたがその力を完全に使いこなせるようになったときに決着を。幻想郷の外の誰も邪魔が入らないところで、 どちらかが動かなくなるまで。」 フランはまだまだ小さな芽である。けれども、いつかフランの心が能力にも負けないくらい強くなり 自らの意思で操れるようになったとき、そのときの美しい花を刈り取るときのような心地よさを楽しみにしている。 ゆくっりゃ達は上目遣いに幽香の事を見て、レミリアとフランに止めを刺さないことに感謝をするかのように声をかけた。 「ゆっくりしててね!」「ゆっくり!」 その言葉に反応してか、幽香は背中越しに微笑んだ。それは誰にも見られることはなかったが、これまでで最も美しく凄惨な微笑であった。 「ええ、ゆっくり待つことにするわ。何年、何十年、何百年、何千年でも。」 そうして幽香は去っていった。お姉さんとお友達を大事にするのよと言い残して。 フランはその能力ゆえに物を壊したことはいくらでもあるが、直したことは殆どない。 ましてや吸血鬼でなければ即死するであろう重傷を負った者に対して、どうすればいいのかわからない様子であった。 「ゆっくり~!!!」 ゆフランがいきなり飛び出して、遠くへと飛んでいく。ゆっくりの名に反して、その速度はこれまで見た中で最も速かった。 フランがさらに動揺する。そんなフランにゆっくりゃが声をかけた。 「ゆっくりまってて!!だいじょうぶ!おねぇちゃんだいじょうぶ!!」 ゆっくりゃがフランを落ち着かせようと芸をした。レミリアを怒らせたあの『いないいない、うー』だ。芸の幅が本当に狭い。 けれども、自らがゆっくりゃとなっていたので表情こそわからなかったが、その声は必死だった。その必死さが伝わったのか、 フランは少し落ち着いた。フランはレミリアの体をぎゅっと抱きしめて待っていた。 少しして、ゆフランが小悪魔を連れてきた。このために飛んでいったのであろう。小悪魔は大急ぎで咲夜を屋敷に運んで、 休むまもなく飛んできたのでふらふらであった。小悪魔はレミリアの体のひどい有様とそれを抱きしめるフランたちの姿を見て、 何が起こったのか把握できない様子であった。それでも小悪魔は気をしっかり持つように深呼吸をすると、震えを帯びた声で言った。 「急いで屋敷に戻りましょう!パチュリー様の治療を一刻も早く受けさせないと!」 以外にも気丈なところがある娘だった。小悪魔は傷ついたレミリアの体を抱えると、紅魔館に向かって飛んでいった。 その後レミリアの体はパチュリーの治癒呪文を受け続けることになった。パチュリーはレミリアの惨状を見てうめき声をもらしたが、 すぐに治療を開始した。この魔女はいつも引きこもっているくせにこういったときには本当に行動力がある。 治療は日が昇っても続いた。美鈴とメイド達がパチュリーの指示によって右へ左へと動き回り、 薬品を持ってきたり儀式の用意をしていた。 ゆっくり達でさえもゆっくりすることなく急いで動き回っていた 「パチュリー、本当にありがとう・・・・」 フランは何度も何度もパチュリーにお礼を言っていた。 「たすけてくれてありがとう!」「ゆ!」 ゆっくりゃとゆフランが続く。 結局、峠を越したのは日が落ちてからであった。パチュリーは体力がないのにずっと働き通しだったので、 ただでさえ青白い顔が余計に白くなっていた。この子がこれぼど必死だったのはめったに見たことがなかった。 そんなパチュリーが言うには、吸血鬼の回復力とパチュリーの魔力を合わせても、 あと少し小悪魔が私の体を連れてくるのが遅れたら間に合わなかったそうだ。そう考えると、 あのときゆフランが小悪魔を連れてくるのが遅れていたら、確実に死んでいたであろう。 それからはフランとゆっくりゃ達はレミリアのそばから離れようとはしなかった。 そんな一人と一匹に対してかわりがわり美鈴、パチュリー、小悪魔、そして怪我から復帰した咲夜が看病を手伝っていた。 レミリアは彼女らをこんな主人にはもったいないと思い、申し訳なさとありがたさに涙が出そうだった。 けれどもそのはゆっくりゃのものだったので涙を流すことはなかった。 1日、2日と時間が経っていく。このとき、レミリアはある異常に気がついた。この体の持ち主の動きが段々ゆっくりしている。 飛ぶことが殆どなくなり、レミリアが寝ているベッドではいずるようになった。 今までずっと屋敷の中を飛び回っていたのに、そのようなことがなくなった。 そしてそれは日が増すごとに顕著になっていった。5日経ったとき、二匹は殆ど動くことはなくなった。 ただじっとレミリアの体の隣でゆっくりしている。 ふと、ゆっくりゃがフランに対してこんな質問をした、いつの間にこんなに語彙が増えたのだろう。 「ふらん、ふらんはおねぇちゃんのことすき?」 フランは満面の笑みを浮かべ、かつて穴が開いていた私の胸をさすりながら一言で答えた。 「えぇ、大好きよ」 レミリアは胸が熱くなった。 「よかった~♪」「う!」 ゆっくりゃとゆフランもうれしそうに反応した。 レミリアはこの子達にあんなにひどいことをしたのに、なんでこんなに喜んでもらえるのだろう。 ふと、この子達が自分とフランの分身であったことを思い出す。 そうだ。この子達も姉妹なんだ。姉と妹が喧嘩しているのを見ていてうれしいはずがない。 結局、レミリアがフランに対して距離を置いていることがゆっくりゃ達にはわかりきっていたということか。 そして目の前のレミリアのまぶたが上がっていくのが見えた。フランが慌てて咲夜に声をかける。 「お姉様が目を覚ますわ。みんなをよんできて!」 そこでレミリアは再び意識を失った。 レミリアが目を覚ましたとき、見慣れた天井が目に映った。 ここは自分の部屋のベッドだった。 体のほうに目を向けるとフランの顔が見えた。今にも泣きそうな笑顔という、矛盾した表情をしていた。 「お姉様。起きたのね!」 「ゆっくり~!」「うぅ~!」 視界を端に向けると、ゆっくりゃとゆフランのほほがあたっていた。なんだかやわらかくて湿っぽい。 部屋を見回すと、皆が集まっていた。ほっとした顔、泣きそうな顔、笑っていた顔、それぞれ違う表情を浮かべていた。 このまま目を覚ますことがないことも考えられたのだろう。 まず、レミリアはやるべきことがわかっていた。レミリアはゆっくりゃとゆフランを抱きしめて、 部屋中に存在する者すべてに向けて言った。 「みんな、本当に迷惑をかけてごめんなさい。あなた達にも八つあたりなんかして、本当にごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」 しかし口からは陳腐な謝罪しか出ない。こんなに迷惑をかけたのだ。いくら謝ってもすまないであろう。 いつの間にかレミリアの目には涙が浮かんできた。 フランを地下に閉じ込めたこと、ゆっくりゃ達に八つ当たりしたこと、フランに手をあげたこと全てが頭の中でぐるぐる回っている。 「お姉様、悪いのは私だよ。だからそんなに謝らないで・・・」 フランはレミリアを抱きしめてそういった。その腕は細く、震えていた。 姉を貫いたときの感触がまだ残っているのかもしれない。 「お嬢様、私も・・・」「あのときは手を上げてすいません・・・」 美鈴も咲夜も駆け寄ってくる。いくら皆のことを思ってとはいえ、主に意見を出したり、手をあげたのだ。 「かってにでていってごめんなさい!」「ゆぅぅぅぅ・・・」 ゆっくりゃたちまで謝ってくる。 けれども悪いのは自分だったとレミリアが返しを入れるので、事態に収集がつかなくなった。 「あ~、まったくいつまでもうじうじと・・・。」 パチュリーが外から業を煮やしていた。。 「ゆぅ!」「う~!」 そのときゆっくりゃとゆフランいいことを思いついたという顔をして、 ベッドから空中へと飛ぶと、皆をレミリアのベッドの回りに集めて、互いのほほをくっつけるように押し付けた。 それはゆっくりゃとゆフランがかつてフランに仲直りを促されたときに行った行為だった。 「こら、なにすんの」「えへへ、くすぐったい」「何か恥ずかしいですね」「うぅ」「ちょっ何で私まで・・・・むきゅ」 「パチュリー様のほっぺた柔らかいです・・・」 「なかなおり♪なかなおり♪」「ゆっゆ~♪」 混乱するみんなの姿をよそに、二匹はとても楽しそうであった。 なんでだろう。勝手にフランを避けて、ゆっくり達に嫉妬して、皆に迷惑をかけたことが馬鹿らしくなった。 数百年のわだかまりを気にするのはもうやめるべきなのかもしれない。 思い出すのはフランを地下に閉じ込めていた時の遠い距離と冷たい罪悪感、 今感じるのは隣で笑っているフランのほほの柔らかさと温かさ。 過去は決して消えない。だからこそ、今のこの瞬間も忘れない限り、いつまでもゆっくり残る。 ゆっくり達は生きることを楽しんでいる。作られた命でありながら レミリアは自らに似ても似つかない、けれども最も欲しいものを教えてもらった分身達に向かって感謝した。 「ゆっくりゃ、ゆフラン、ありがとう。」 「「ゆっくり~♪」」 しかしこれが結局生きたゆっくり達が飛ぶのを見る最後のときとなった。 そして次の日 日がまだ昇っている時間のことであった。 「いないいない、うわぁぁぁぁぁ♪」「うわぁぁぁぁ♪」 「あはは、かわいくなーい」 レミリアとフラン、ゆっくりゃとゆフランは皆で一緒に同じベッドに寝そべっていた。 周りには紅魔館の住人が全て集まっている。レミリアが今までずっと寝ていてつまらなかったのでパーティをしようと言い出した。 吸血鬼のパーティは普通夜に行うが、この日は朝からずっと通しだった。 レミリアはゆっくり達とこうして遊ぶのは初めてだった。 「あんた達には迫力がないわ。こうするのよ。いないいない、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 「こあい、こあい!」「ゆう゛ぇ゛ぇ゛ぇ」 ゆフランが泣き出してしまった。実は怖がりなのかもしれない。 そんなゆフランをフランが慰めた。抱きつかれたまま離れようとはしない。 そんな二人と二匹を咲夜をはじめとした住人達は見守っていた。彼女らの目には目の前のじゃれあう子供達が、 種族が違えどもまるで姉妹のように見えていた。 悪魔の住処紅魔館。この日ばかりはその名も似合わなかった。 そして愛するものと共にゆっくり過ごす時間の安らかさに、レミリアは今までの人生になかった心地よさを感じることになった。 時間が経つにつれて、ゆっくり達は段々動かなくなってきた。言葉に反応するのも遅れている。 日が暮れたころ、目を瞑ったまま動かなくなった。 「ゆっくりゃ、ゆフランどうしたの?」 フランがゆっくり達に声をかける。 しかしまったく反応がない。いつもは呼ばれなくても来るのに。 いつしかパーティ会場はしんと静かになった。皆これがどういうことか気がついたのだろう。 そしてこのパーティの本当の意味を。 口を開いたのはパチュリーだった。 パチュリーはこの生物のベースとなる技術を持っていたため、何か思うことがあったのか 「元々この子達は餡子によって食用に作られた生き物。すぐに食べられる運命のために、その寿命は儚い物だったのでしょうね。 いつかはこうなるとわかっていても、やっぱり愛着がわくと辛いわね。」 そういうと力なくうなだれた。隣では小悪魔がパチュリーにしがみついて泣いていた。 美鈴は大声を上げて人目をはばからず泣いていた。彼女は門番であり、ずっと一人で行う仕事であった。 そんな折に遊びに来てくれた友達が愛おしくて仕方がなかったのであろう。 咲夜は泣いてはいなかった。けれどもまぶたが何時間も泣いた後のように真っ赤に腫れていた。 先ほどまでこのようなことはなかったはずなのに。 周囲を見ると、下っ端のメイド達まで嗚咽を漏らしていた。あの二匹は本当に人懐っこかったのであろう。 ゆっくり達は餡子とひき肉でできた人形。正確には生き物にすら分類されない。 パチュリーが作った人形のように泥でできたのならともかく、餡子ではいつか腐って崩れてしまう。 いくら食べ物を与えても、変えようのない結末だった。そして人形であるがゆえに生まれ変わることができない。 だからこそ、最後にこうして共にゆっくりするのが望みとなった。 フランは二匹を抱き寄せた。もう二度と会えないということが信じられないようであった。 目に光が灯っていない。この子にはその悲しみに耐えられなかったのだろうか。 そのとき、 「こいつらがただの人形だったらあたいも仕事がなくなって楽なんだけどねぇ。」 ドアの近くを見ると何者かが立っていた。見上げるほどの長身、手に持つは大きな鎌。三途の川の案内人。死神の小野塚小町であった。 「どういうこと、それに仕事ってなによ」 「そのままの意味さ。死神の仕事は死者の案内。こいつらはもう人形じゃなくて妖怪なんだよ。ちょいと違うが、 わかりやすくいうと九十九神みたいなものかな。ずいぶん可愛がったみたいじゃないか。ほら、あたいの後ろにいるこいつらもそうさ」 そういうと、小町の後ろから様々なゆっくり達の霊が出てきた。ゆっくりれいむ、ゆっくりまりさ、ゆっくりありす、 その他たくさんの種類のゆっくりがいた。幻想郷の誰かがフランと同じようにかわいがっていたのだろう。物好きがいたものだ。 小町は二匹の遺体を抱えた。連れて行くつもりなのだろう。 「やだぁぁぁっ、連れて行かないでぇっっ。もっと一緒にいるのっ。私と遊ぶのっ。ご飯を食べるのっっっ。」 フランが泣きながら必死で止めようとしたがレミリアはそれを抑えた。 「行かせてあげなさい。フラン。あの子達の顔を見なさい。とても安らかな顔をしているじゃない あなたと、紅魔館のみんなのおかげよ。だから、わかって・・・」 フランは何度か嗚咽を漏らし、手のひらをぎゅっと握り締めて耐えていた。 「吸血鬼の涙なんて珍しいものを見たな。ここからはちょっとしたサービスでもするか。四季様には内緒だよ」 小町が二匹をぽんと叩くと、するりと二匹の体から何かが出てきた。あれはゆっくりゃ達の霊だった。 「さぁ、お別れを済ませてきな」 ゆっくりゃは相変わらずうーうーと鳴きながら館の住人全てに笑顔を向けるとレミリアとフランに向かって飛んでいった。 その元となった吸血鬼とは似ても似つかないが愛嬌のある顔は決して忘れないだろう。 ゆフランは姉の後を追うようにして浮かんでいった。皆に見送られていると見ると、とてもくすぐったそうな顔をしていた。 今まで愛情を注いでくれた皆に感謝をしているようであった。彼女は元となった吸血鬼に似て、姉をとても好いていたのだろう。 二匹は紅魔館の住人達ひとりひとりに挨拶をしていく。ゆっくりと時間をかけて 最後にレミリアとフランの前に飛んできた。 「ゆ!」「う゛!」 それはどこかふてぶてしくも憎めない顔であった。 フランは涙を拭い去り、二匹に向かって目を向け、最後の挨拶をした。 「うん。わかった・・・。今までありがとうね。ゆっくりゃ、ゆフラン。あなた達のこと大好きだったよ。」 ゆっくりゃ達は微笑んだ。その顔がこれまで過ごした時間がどのようなものなのか語っていた。 レミリアは何を言うべきか悩んだ。いくら言葉を尽くしても伝えられないほどの恩がこの子達にはある。そうだ、 だったら一言に百の意味をこめよう。ゆっくり達にとって最もなじみのあるあの言葉で 「ありがとう。向こうでも、ゆっくりしていってね・・・」 二匹はだいじょうぶだよとでもいうように返事をした。 「じゃあこいつらは連れて行くよ。これほどいろんな人に愛されているなら三途の川は渡れるだろうから安心していいさ。」 「うー♪」「う~♪」 そうして二匹は死神に連れられ、死後の世界に旅立つことになった。 ゆっくり、ゆっくりと・・・ その場にいる皆がそれぞれの思い出を胸にゆっくり達の百鬼夜行を見送った。 約1ヶ月という、人外には刹那のような時であったが、誰もの心にゆっくり残るだろうと思われた。 レミリアは思った。あっという間の命だった。けれども決して忘れはしない。 今からでも遅くはない。あの子たちがそうだったように。 フランと共に、これからゆっくり幸せに生きていく。 そう誓った。 その後ゆっくり達がいなくなり、しばらくしてからの紅魔館では、ほとんど以前と同じ姿になっていた。 門番は一人で門を守っていた。一緒に遊んで夜を過ごす友はもういない。 魔女は図書館に引きこもっていた。影でこっそりかわいがる居候はもういない。 小悪魔はそんな魔女の世話をしていた。魔女のいつもと違う一面を見せてくれた客はもういない。 メイド長はメイド達を従えて館を切り盛りしていた。プリンを作ってあげた主の分身はもういない。 しかしひとつささやかな変化があった。それは吸血鬼姉妹であった。姉は甲斐甲斐しく妹の世話をしていた。 ふたりがじゃれあう姿を見て、紅魔館の住人達はあの騒がしくも無邪気であった二匹の饅頭を思い出す。 主とは決して似つかないが、どこか面影のあるあの饅頭を。 妹はこれから様々なことに向かっていくことになる。 力の制御 向日葵妖怪との決着、 外の世界に適応すること 姉はそんな妹にいろいろなことを教えていく。 これまで置いていた距離を縮めるように。 いつか妹が一人前になって生きていけるように そのためにこうやって一緒にいる あせることはない。時間はたっぷりある。ゆっくり頑張っていこう。 蛇足 小町がゆっくりゃ達を連れて三途の川に着いたとき、ゆっくりの霊が大量に居座っていた。 裁判所の中に駆け込むと 「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!!!」」」」」」」 「よいぞっ!」 上司であるザナドゥが壊れていた。ここのところ彼女は事務仕事のあまりの忙しさにゆっくりできていなかった。 そこで現れたマイペースの塊、ゆっくり。 そのため、ザナドゥはゆっくりにあこがれるあまり、ゆっくりになりきってしまったらしい。 小町は思わず遠くを見てしまった。 「ゆっくりした結果がこれか。転職先でも探すかな・・・」 いい話でした -- 名無しさん (2008-09-01 12 41 56) 泣いちゃいました… -- 名無しさん (2008-09-10 13 30 32) ゆっくりは姉妹の懸け橋となった・・・このゆっくりには勲章を挙げたい気分だ・・・。 -- 通りすがりのゆっくり好き (2008-09-14 21 52 30) 全俺が泣いた・・・ -- 名無しさん (2008-09-15 17 27 06) イイハナシダナー。もうゆっくりを虐めることなんてできねぇ・・・ -- 名無しさん (2008-09-15 19 52 55) (´;ω;`)ブワワッ!! -- 名無しさん (2008-12-09 01 01 32) 涙が…とまらない…と思ったらえーき様www -- 名無しさん (2008-12-23 07 38 15) 最後のシーンで泣きながら笑った。 -- 名無しさん (2008-12-27 10 34 16) 最後がwwwww俺涙目wwwww -- 名無しさん (2009-02-17 19 20 01) ゆっくりゃとゆフラン大好きだから余計涙腺が… -- 名無しさん (2009-02-18 01 49 55) あれおかしいな、目から汗が・・・ イイハナシダナー -- 名無しさん (2009-03-10 00 23 23) (´;ω;) -- 名無しさん (2009-08-17 04 07 18) お嬢様をひっぱたいた時の咲夜さん辛かったろうな~ -- 闇 (2010-02-18 13 47 36) 泣け・・・ないぜっ・・・泣ける -- 名無しさん (2010-02-18 21 31 41) いい話すぎる(´Д⊂グスン -- 名無しさん (2010-06-11 23 07 18) 切なくも温かいゆっくり出来る話でした。ありがとう。 -- 名無しさん (2010-11-28 11 58 52) イイハナシダッタノニナー -- ザナドゥェ (2010-12-04 02 41 26) やばいマジで泣いてしまった・・・ -- ゆっくり愛護団体団員 (2011-03-20 03 46 11) 俺…ゆっくりいぢめをやめるよ… -- 名無しさん (2011-04-15 16 44 16) 泣けるうううううううううううううううううぅ -- ちぇん飼いたい (2012-03-01 17 01 29) 名前 コメント
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※このSSはfuku1450の続きというか、アナザーストーリーです。 ※作者の762さん、勝手に設定を使ってしまい、すいません。 その日、フラワーマスターの異名を持つ風見幽香は酷く機嫌が悪かった。 ゆっくりゆうかのせいである。 本当は違うのかもしれないが、ゆっくりゆうかのせいだと思わなければ、彼女はやっていられないのだ。 苛立ちを、近くにいるゆっくりを全て叩き潰す事で僅かに晴らしつつ、幽香はそこら辺をぶらぶらと散歩し続けた。 『ゆっくり後悔し続けてね!』 その数日前。 幽香は、好奇心に満ち溢れた顔で、道を急いでいた。 自分に似たゆっくりがおり、そのゆっくりは花畑を作っていると言われたためである。 花の妖怪である自分に似ているのだから、ゆっくりだとしても花畑を作り出すのは当然という思いから、幽香は道を急いでいた。 ――ここはこの花よりこっちが良いわ。それに、あそこはもっと肥料をあげないと。あなたが肥料になるかしら? ――あぁ、こんな所に肥料をやっちゃダメじゃないの。あなた、本気で花を育てる気があるのかしら? そんな、大量のダメ出しを夢想している幽香は、自分の口が笑いの形に歪んで来ているとは思いもしなかった。 このフラワーマスター、真性のドSである。 ともあれ、幽香は目的の花畑にたどり着いた。 「なにこれ……」 口だけが笑っていた幽香の表情が、驚愕のそれに変わった。 小さい。 いや、ゆっくりが育てると考えると、大きめなのだろう。そもそも、花畑の大小はその美しさに関連はないと幽香は考えている。 種類が4種類しかない。 これも、ゆっくりが育てている事とここの土壌の質を考えると、これが限界だろう。下手に手を加えては自然の美しさが損なわれてしまう。 全体的に肥料が少ない。 ここに肥料をぶちまけようとする者がいたら、幽香によるマスタースパークでチリと化すだろう。肥料はこのままで良い。 そして、美しい。 幽香が驚いてしまうほどに、多数の花が、最も美しく見える様に考え抜かれた配置で置かれている。 その真ん中にいるゆっくりゆうかを見て、幽香はより驚いた。 泥だらけになりながら、本当に楽しそうに、大事な宝物を扱う様に花を慎重に手入れしている。 ――似ているなんてもんじゃないわよ、あれ。 それは、ただ花と一緒に生きられる事だけで嬉しかった、数百年前の風見幽香そのものの姿だった。 幽香は、無言でその場を後にした。 ダメ出しも何もない。ここは、既に完成した花畑である。 確かにフラワーマスターとしての目から見るとまだアラはあるが、それでも、一個の完成しようとしている作品に手を入れる事はできなかった。 その一時間前。 幽香は、何となく面白くない顔で、道を急いでいた。 自分に似たゆっくりが作り続けている作品の果てを見届けるためである。 果てと言っても、マスタースパークをブチ込んで破壊しようという意味ではない。 むしろ、そんな事をしようとする相手に幽香自身のマスタースパークが5発ほど打ち込まれるだろう。 幽香は、一個のまだ荒削りな芸術作品の完成を見届けようとしているのである。 完成後のダメ出しならばいくらでもするつもりだ。自分が手本を見せても良い。何なら連れ帰っても良い。 太陽の畑を、まだ荒削りなその技術で整えようとして何度も失敗を繰り返し、涙を流しながらも何度もやり直すゆっくりゆうか。 そして、叱りつつも段々と成長を遂げていくゆうかを眺めて良い気分になる自分……幽香の脳裏に、そんな未来が現実感を持って迫っていた。 叱る想像をしたから機嫌が直ったのか、笑顔になって更に道を急ぐドS……もとい、幽香。 だから、幽香は途中で5つの饅頭とすれ違った事に気が付かなかった。いや、気が付けなかった。 その数分後。 幽香は、その場に立ち尽くしていた。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~♪」 「こっちもうめぇよ! ゆっくりできるよ~♪」 「ここはさいこうのゆっくりプレイスだね!」 「ちがうよ! でんせつのゆっくりぱらだいすだよ!」 「ゆっくりぱらだいす!?」 「しっているのかみょん!」 「ちちんぽ……ぜんぜんしらないちーんぽ!」 「じゃあなんでしってるみたいなこといったの? わからないよーwww」 饅頭どもの爆笑に包まれるそこを見た時、幽香は記憶違いだったかと思ってしまった。 それほどに様変わりしてしまった元芸術作品の片隅で、幽香はただ立ち尽くしていた。 ――そう。 4つあった花畑は、全てが色とりどりの薄汚い饅頭どもによって食い荒らされていた。 ゆっくりゆうかはいない。どのゆっくりがやったのかは分からないが、恐らくは殺されたのだろう。食われたのかもしれない。 ――あの子は、もういないのね。 「あれ、そういえばあのこたちとめーりんは?」 「しらなーい、まだいじめてるんじゃない?」 「あのこたちもめーりんいじめがすきだよねーw」 「ほんとーw ゆっくりするほうがたのしいのにねーw」 ――『ゆっくり』理解させてもらったわ。 「そういえば、ここをかってにせんりょうしてたゆうかはどこ?」 「ゆっくりこっちにすてたよ! あれ、いないよー?」 「あのこたちがつれてったよ、きっと、ゆっくりたべるんだよ!」 「れいむたちもたべたいなー」 「あとでもらいにいこうね! よにんだけなんだから、おねがいしたらすぐくれるよ!」 食べる。あの子を『四人組』が食べる。 太陽の畑へと連れ帰る予定だったあの子を。こいつらが、食べる。 ――お礼に『ゆっくり』させてあげるわ。永久にね。 幽香の頭のどこかから、ブチンと何かが切れる音が聞こえた。 同時刻、ゆっくりの群れ。 「あのこたちはすごくゆっくりしてるよね! こんなにいっぱいごはんあるところをしょうかいしてくれたんだもん!」 「だよね! ほんとにあのこたちはゆっくりしてるよ! おれいに、みんなでゆっくりしてあげようね!」 このゆっくりの群れは、今、心の底から幸せだった。 たくさんのごちそうがある。たくさんの仲間と一緒にいる。たくさんゆっくりできる。 それだけの状況が揃っていて、幸せじゃないゆっくりなんてゆっくりじゃない。そう思うほどに、幸せだった。 不意に、パチンと手を叩く音が響いた。 それと同時に、何か粉の様な物体が辺りを舞う。 日の光で美しく輝くそれは、ゆっくり達が初めて見るものだ。 「うわー、あれなにー?」 「ゆっくりしてるね! すごくきれいだよ!」 「ここはみんなのゆっくりプレイスだけど、ゆっくりできるこならたくさんゆっくりしていってね!」 キラキラと輝くそれを、ゆっくり達は幸せそうに眺めていた。 また、ぱちんと手を叩く音が響く。 影が、それに応じてゆっくりの群れの方へと近づいてくる。 ゆっくり達は、自分の願いが聞き入れられたと思い、嬉しくなって飛び跳ねた。 「ゆっくりしていっぐびゅぅ!?」 気の早いゆっくりがそれに頬をすり寄せようと近づいた……と思った直後、突然その場でぶるぶると震え出す。 異様なその状況に、群れのゆっくり達はざわざわと騒ぎながら近づいていった。 「どうしたの? ゆっくりしてよ!」 「どこかいたくしたの? ゆっくりすればなおるよ!」 「なんでなにもいわないの? おくちのなかいたくしたの……ゆびゃぁぁぁ!!! なにごれぇぇぇ!!!」 近づいたゆっくり達が、一斉にその場から飛び跳ねて逃げる。 そこに「あった」のは、もうゆっくりではなかった。 真ん中に杭が打ち込まれた様に、みっちりと何かが詰まっている何か。 仲間だったものの目から口から、皮を突き破ってどんどんと成長を遂げていくそれを見て、ゆっくり達の群れは恐慌に襲われた。 「ゆぎゃぁぁぁ!!!」 「なにごれぇぇぇ!!!」 「ごわいよぉぉぉ!!!」 それぞれに泣き叫ぶゆっくり達。 だが、真の恐怖はこれから始まるのである。 「ゆぎゅっ! ……ぺっぺっ! けむいよ! なにこれ!」 「くちゅん! ゆっくりできないよ! くちゅん!」 仲間だったそれは、今や完全に樹木と化している。 それの先端からぶわっと煙の様な何かが撒き散らされ、周囲は大量の花粉に覆われた。 「ゆぎゃぁぁぁ!!! いだい! いだいよぉがぶぅ!!!」 「なにごれ! なにごれぇぇぇぎゃらっば!!!」 「だずげで、ゆっぐりざぜでぇぇぇえひぃぃ!!!」 ばつんばつんと、音を立ててゆっくり達の体内から、柔らかい饅頭の皮を突き破って樹木が生えていく。 ゆっくり達の群れは、ほどなく樹木の群れへと生まれ変わったのである。 フウバイカ 「風媒花。どう? とてもゆっくりできるでしょう?」 ぽつりと、無表情に幽香は呟いた。 風媒花とは、その名の通り風を花粉の媒介として利用する種類の植物である。 虫を引き付ける必要がないために花びらがないものもあり、またあっても目立たず、香りもほとんどない。花と言えるかどうかも怪しい。 「本当、生物としても食物としても中途半端なこいつらにはお似合いの墓標ね」 その一言を残して、幽香はその場を後にした。 その一時間後。 幽香は、無表情に道を歩いていた。 その目は暗く光っており、下手に触れると消滅させられてしまうのではないかと思われるほどの恐ろしさに満ちている。 幽香は、時々立ち止まっては何かを探す様に周囲を眺めている。 本来ならば、どんな奥地に潜むものであろうと、草花ですぐに探し出す事が出来る。 だが、幽香はあえて自力で見つけ出そうとしていた。 頭に浮かぶのは、僅か数日前に見つけた、泥だらけで楽しそうに花の世話をする数百年前の自分の姿。 その頃は、自分はここまでの大妖怪ではなく、花との関係も友達のそれであった。 数百年前の幽香は、花の妖怪ではなく、花の世話をするのが好きなだけのただの妖怪未満の少女であった。 ならば、花を利用して探し出すなどできっこない。 幽香は、道の途中途中で見つけたしおれた草花を優しく癒してやりながら、無表情に道を歩き続けた。 「見つけた」 呟きが、風に溶けていく。 目の前には、やけに楽しそうな四匹のゆっくり達と、一匹の四角いゆっくり。 幽香は、誰が見ても分かるだろう作り笑顔で憎むべき饅頭どもの前に降り立った。 「こんにちは、ゆっくりしているかしら?」 「ゆっ! おばさんだれ?」 「ゆっくりできるひと? ゆっくりできないならさっさとどっかいってね!」 「ありすはとかいはなんだからさいこうにゆっくりしてるにきまってるでしょ!? おばさんばかなの?」 「むきゅーん! ばかなおばさんとはゆっくりできないよ! さっさとどっかいってね!」 「うーうー♪」 ただ笑顔で話しかけただけの幽香にここまでの暴言を吐く四匹のゆっくりと、何が楽しいのか分からないが、ただ笑っている四角いゆっくり。 だが、ここまでの腐れた根性の持ち主が良く生き延びられたものだと感心するのはまだ早いだろう。 もうすぐ、五匹は終わる。完膚なきまでに。 幽香は内心の感情を押し込めて、張り付いた様な笑顔のままで誘いをかけた。 「残念ね。もっとゆっくり出来る場所に案内しようと思ったのだけれど」 「ゆゆっ! ゆっくりできるところならいきたいよ! さっさとあんないしてね!」 「ゆっくりプレイスはみのがさないよ! さっさとつれていってね!」 「いなかものはむだにもったいぶるからきらいよ! でも、ゆっくりできるならいってあげなくもないわよ!」 「むきゅきゅん! ゆっくりできるところならぱちぇもたくさんしってるけど、おばさんのいってるとこはもっとゆっくりできるでしょうね!?」 「うーうー♪」 早く早くと急かすゆっくり四匹をなだめながら、幽香はゆっくりと歩き出した。 後ろからフラフラと追いかけてくるうーパックも、せっかくだから連れて行く。 その方向は、太陽の畑。 その二時間後。 「「「ここがゆっくりできるばしょなの!?」」」 「うー、ううー♪」 太陽の畑。 そこは、ひまわりが咲き誇る幽香の庭であり、故郷であり、砦でもある場所。 四匹のゆっくりにうーパックを含めた五匹は、珍しそうに辺りを眺めていた。 「ええ、あなたたちにはここで永遠にゆっくりしていただくわ」 そんなゆっくり達に、幽香はキラキラと光る何かを振り掛けた。 「ゆゆっ!? このきらきらしたのなに? きれー」 「あまくないけど、きれいでしあわせー」 「むきゅん! これはきんぱくね! きらきらしてきれいだわ!」 「きんぱくくらい、とかいはのアリスはしってるわ! とかいのマナーのひとつだわ! おばさんにしてはわかってるじゃない!」 「うーうーうー♪」 キラキラと光る何かを振りかけられて、うーパックは素直に喜び、四匹のゆっくり達も口調が悪いが嬉しそうにしている。 「本来ならばあなた達には絶対に寄生しない菌類なのだけど、特別にあなた達のために性質を変えさせてもらったわ」 嬉しいでしょう? と微笑む幽香に、ゆっくり達は大喜びで跳ね回りだした。 「ありがとう! じゃあ、おばさんにはもうようはないからゆっくりどっかいってね!」 「ゆっくりしたかったらべつのところでしてね! ここはまりさたちのゆっくりプレイスだよ!」 「ここはとかいはのアリスたちのゆっくりプレイスにしてあげるわ! ありがたくおもいながらどっかにきえなさい!」 「むきゅ、にんげんがいたらゆっくりできないから、さっさときえてね!」 「う、ううー?」 豹変する仲間についていけないのか、オロオロとしだすうーパック以外のゆっくり達が口々に出て行けと叫ぶのを聞いて、幽香は穏やかに頷いた。 「分かったわ、じゃあ、私はこれで失礼させてもらうわね。あなた達は、永久にそこでゆっくりしていきなさい」 じゃあね、と口の端のみに浮かべた笑顔を残して消える幽香。 「ゆぎゅっ、きえちゃったよ!?」 「にんげんはゆっくりしてないね!」 「むきゅ、これはてじなね、あのおばさんはマジシャンなんだわ」 「ま、まじしゃんくらいはとかいのじょうしきよね! もちろんアリスもおせわしてあげたわ! あのおばさんもアリスをそんけーしてるはずよ!」 ゆっくり達は目の前からいきなり消失した人間に少々面食らったが、ゆっくりできるのだから言う事はない。 お腹が空いたらそこら辺にあるひまわりをかじれば良いし、この辺りには危険な捕食種もいない様だ。 ゆっくり達は、思い思いにゆっくりし始めた。 うーパックはまだオロオロとしていたが、仲間がゆっくりしているのを見て、一緒にゆっくりしたくなったようで、大人しく近くに羽を休めた。 その二時間半後。 「「「ゆっくりしていってね!」」」 ゆっくり達は、ゆっくりするのにもう飽きたらしく、跳ね回って遊んでいた。 「ゆっくりたのしいねー!」 「すごくゆっくりできるよ! さすがまりさたちのゆっくりプレイスだね!」 「むきゅ、ゆっくりできるね。おばさんにごほんもってきてもらえたらもっとゆっくりできたんだけどね。きがきかないわねあのおばさん」 「パチェはほんだいすきなゆっくりだからね! とかいはのアリスは、ほんがなくてもゆっくりできるよ!」 「むきゅ、ただのうてんきなだけよ。アリスは」 「アリスはどっかのゆっくりと『ゆきずりのすっきり』ができたらいいんだもんね! ゆっくりしようよwww」 げらげらと笑い合うゆっくり達。 その様子をのんびりと見守っているうーパックは、ゆっくりしているためか、自分の体内に不思議なかゆみが出てきた事に気付けなかった。 それが、自分の生命を左右するとも知らずに。 その三時間後。 「うー……うー……うぐっ!」 「ゆぎゅ!?」 「ゆあっ!?」 「あぎゃ!?」 「むぎゅ!?」 びくんと、五匹同時にその場に立ち止まった。 異常な何かが、物体となって自分の内側からどんどんと膨れ上がっていく感触。 おぞましいその感覚に、五匹は身を震わせた。 「おばざん! まじじゃんのおばざん! なんがへんだよごれぇぇぇ!!!」 「なにごれ、ぎもぢわるいぃぃぃ! おばざん、ざっざどだずげでよぉぉぉ!!!」 「ぎもぢわるいぃぃぃ! ぎもぢわるいよぉぉぉ! どがいはになんでごどずるのぉぉぉ!!!」 「むぎゅ……きぼぢわどぅい……げほっ、エ”ホッ! ばぎぞうだよぉ……」 「うぐぐぐ……うー! うー! うー!!!」 いくらもがいても、自分の内側から膨れ上がってくる感触が押さえられない。 四匹は、泣き叫んで様々な者に助けを求めた。うーパックは、感触を少しでもどうにかしたくて、ただただ暴れまわっている。 「「「おばざん! おがーぢゃん! ……ぐずめーりん! ざっざどだずげろ!!!」」」 ゆっくりめーりん。ずっとバカにしていたそいつは、先ほど自分達の手で二度とゆっくり出来なくした。 だが、そんな事もアンコ脳には残っていないのか、ゆっくり達は延々と文句を喚き続ける。 「なにゆっぐりじでんのよぉぉぉ! ざっざどごっぢぎでだずげろばがめーりん!!!」 「おまえにやれるのはぞれだげなんだがら、まりざだぢのやぐにだであほめーりん!!!」 「ありずのがわりにいながもののおまえがどうにがじろまぬげめーりん!!!」 「むぎゅ……いらないごっていわれだぐながっだらざっざどだずげにごいぐずめーりん」 口々に怨嗟の声をあげるゆっくり達の目はにごり、もうどれだけの愛好者であってもこんなゆっくりだけは愛せないだろうと思えるほどに醜かった。 そんな中、症状の重かったうーパックが、凄まじい悲鳴を上げた。 「うぎゅあぁぁぁぁぁ!!!」 「「「ゆ……ゆぎゃぁぁぁぁぁ!!!」」」 がくがくと震えるうーパックの口から目から、様々な場所から、黒色の植物の芽の様なものが次々にはみ出してくる。 そのおぞましい光景に、ゆっくり達は悲鳴を上げる。 だが、慌てて口を閉じ、目を硬くつぶった。 いつ、自分からもあの芽が伸びてくるかわからない。それを考えると、目を開ける事も口を開く事も恐ろしかった。 「無駄よ、それはあなた達の体を突き破って出てくる。口を閉じようが目を閉じようが結末は何も変わらない」 不意に、近くからニンゲンの声が聞こえてきた。 その声が先ほどのマジシャンだと分かったまりさは、即座に口を開いて抗議しだした。 「おばざん! ざっざどまりざだぢをだずげでよ! おばざんがごごにづれでぎだんだがら、おばざんがなんどがじろぉぉぉ!!!」 抗議と言っても、ゆっくりではダダをこねる程度の事しか出来ない。 幽香は、笑顔で一言だけ答えた。 「あなた達を助ける気なんて毛一本ほどもないわ」 更に何か言おうとしたまりさの口から、数本の芽が飛び出してくる。 まりさは、文句を言う気など消えうせ、芽が様々な場所から生えだそうとするその感触を耐える事しか出来なくなった。 四匹のゆっくり達は、完全に寄生植物の宿主と成り果てたのである。 トウチュウカソウ 「冬虫夏草。あなた達に植え付けたのは、そういう名前の植物よ」 あえぐゆっくり達に対して、無表情なままの幽香は、独り言を漏らす様に告げた。 冬虫夏草とは、虫や植物に寄生して成長するタイプの菌類……キノコやカビなどの一種……である。 普通の冬虫夏草ならば、ゆっくりに寄生する事はありえないし、宿主を殺してから成長するのだが、これは幽香の特製である。 このゆっくり達は、もう死ぬ事も動く事も出来ず、冬虫夏草の奇妙な茎部分としてこれからずっと生き続けるのだ。 「あなた達に潰された草花の気持ち、そこでゆっくり理解すると良いわ」 じゃあ、さよなら。一言だけ残して、幽香はその場を後にした。 「まっでぇぇぇ! ゆっぐりざぜでよぉぉぉ!!!」 「おば……おねえざんんん! まりざだげでもだずげでよぉぉぉ!!!」 「ありず、いながものでいいでずがらだずげでぇぇぇ! おねがいでずぅぅぅ!!!」 「むっぎゅー!!! ばぢぇじんじゃう! ほんもよめないごんなどごじゃじんじゃうぅぅぅ!!!」 「うぎゅ……うー……」 五匹がそれぞれに境遇を嘆くその姿を、ひまわりがあざ笑うかの様にゆらゆらと揺れながらただ眺めていた。 花を食べたゆっくりは花に仕置きされるという事で、幽香りんにいじめてもらいました。 このゆっくりは、うーパックも含めて永久に苦しみ続ける事でしょう。 by319 このSSに感想を付ける
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ゆっくり蒸し 俺はゆっくりの家族を探していた。 目的は、虐待である。 ゆっくりを入れる巨大な籠、ゆっくりを騙すテクニック 準備はばっちりである。 俺がゆっくりを探しながら歩いていると、 正面から、ゆっくりの家族がこっちに向かってくるではないか!! 「お、いた!!」 男は、見つけたゆっくり一家にばれないように ボソっと、小声で呟いた。 ゆっくり一家の構成は、 親れいむ・親まりさ、 子供れいむ5匹、子供まりさ5匹、 赤ちゃんれいむ・まりさ、2匹、 合計、14匹である。 俺はゆっくり一家を捕まえるべく、 とびっきりの作り笑顔で 先頭を歩いていた親ゆっくりれいむに話しかけた。 「こんにちは!!」 「ゆゆっ!?おじさんはゆっくりできる人?!」 「うん。ゆっくりさせてね」 「「「「「「「「「「「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」」」」」」」」」」」 俺が、ゆっくりさせてくれ、と言うと ゆっくり一家全員の、ゆっくりしていってね、の大合唱が。 俺は、計画どおりに事が進んでいて作り笑顔ではなく 本当の笑顔が顔にできていた。 「ゆゆ!!おじさん、どうしたの!!??」 れいむは、俺の笑顔の変化が分かったのか 質問を問いかけてきた。 答える必要はない。 俺はその発言を無視してゆっくり一家に提案をした。 「おじさん、もっとゆっくりできる場所を知ってるよ。 来ない?」 「いく!ゆっくりつれてってね!!」 親れいむが、俺の嘘にだまされた。 ふはははははは、これで貴様は一生ゆっくりできない。 「れーむもいきゅ!」「いきたいんだぜ!!」 子ゆっくり達も行きたいコール。 「ゆっくりつれてくんだぜ!!」 これまで黙ってた親まりさも。 「わかった。じゃあ、ちょっと待ってね」 俺は、素早く背負っていた籠にゆっくり一家を入れる。 「ゆ”ゆ”!ぜま”い”よ”、お”じさん”」 「ゆ”っぐり”でぎな”い”ん”だぜ・・・!!」 ゆっくり一家は、自分たちがいる場所の狭さについて 俺に文句を言ってきた。 もう籠に入れてしまえばこっちの物だ!! 「うるせえ!!」 俺はそう叫ぶと、ガツガツとわざと籠を揺らすように走った。 「ゆ”!」 「ぶ!」 ゆっくり達のつぶれる声が聞こえる。 潰れる、と言っても死ぬほどでもない。 家まで、籠を揺らしながら走った。 家に着くと、すぐさま籠を開けてゆっくり達を開放する。 親ゆっくり達のブーイングの嵐が始まる。 「おじさんどういうこと!!赤ちゃん達になにかあったらどうしてくれるの!!」 「オレシラネ」 「ゆっくりあやまるんだぜ!あやまったらゆっくりここからでていくんだぜ!!」 「これからここはれいむたちのゆっくりプレイスにするよ!!」 「「ゆっくりあやまってね!!」」 「オレシラネ」 俺は、さっさと作戦を実行するべく、巨大な薬缶を取り出した。 「おじさん、なにそれ?」 「ゆっくりせつめいするんだぜ!!」 子れいむや、子まりさ達が、興味津津に話しかけてくる。 「これはね、ゆっくりできる部屋なんだ。 ちょっと小さいけど、とってもゆっくりできるんだ。 かぞくみんなで入ってね。」 「ゆゆ!だまされちゃだめだよ!!」 親れいむは、俺の事を警戒しているらしい。 そりゃそうだ。揺らされて、所々怪我をしたし 赤ちゃんも、もしかしたら死んでいたかもしれない。 「ごめんね、れいむ。 これをあげるから、許してくれ。」 そう言って、う●まい棒(袋に入ってる)を渡した。 「ゆゆ!おじさんありがとう!!ゆっくりゆるしてあげるね!!」 親れいむは、幸せそうにう●まい棒を見つめて言った。 親まりさも、今さっきまでの警戒心は無くしたらしく 幸せそうにう●まい棒を見つめていた。 ゆっくり達には、手足が無い為、 う●まい棒の袋を誰かに開けてもらうまでは食べられない。 その為か、ゆっくり両親達は涎を垂らしながら、う●まい棒を見つめていた。 子ゆっくり、赤ちゃんゆっくりも涎を垂らして見つめていた。 俺は、この隙に、と思い、 薬缶の中へゆっくり一家を詰め込んだ。 「ゆゆ”!ぜま”い”よ”!!」 親れいむの苦しみの声が聞こえる。 子れいむ達の声もだ。 俺は、携帯用のコンロを出した。 火をつけて、ゆっくり達の入っている薬缶を置いた。 「・・・任務完了♪」 まだ火に当てたばかりだから熱は伝わってこないだろう。 数分後 「おじさん!!あづいよ!! ゆっくりだしてね!!」 蓋をする部分のちょうど真下にいた子れいむが言った。 「ヤダ」 「ゆ”う”う”う”う”う”!!あ”づい”よ”ぉぉぉぉぉぉ!!」 薬缶の一番下・・・、コンロの火がジャストヒットしている 子れいむが叫んでいた。 数十分後 「ゆ”う”!!あ”づ”い”よ”お”お”お”お”お”お”!!」 親れいむの声が聞こえる。 泣きながら叫んでいるのだろうか、とても痛々しい声で叫んでいた。 今さっきまで聞こえていた、薬缶の最下層の子れいむの声が聞こえなくなった。 もう虫の息なのだろう。 「はやくだすんだぜ!!」 親まりさが叫んだ。 俺は不思議に思った。 数十分も火に当てられてなぜそこまで平気に叫ぶことができる? 俺は、薬缶の中を覗いてみた。 なんと、親まりさは子まりさを自分の周りにおいて 暑さを防いでいたのだ。 親まりさは、子供などを平気に裏切ると聞いたが 本当だったとは・・・。 「チッ」 俺は舌打ちをした。 苦しんでいないとは、俺の努力はなんなんだ。 怒りを込めて、親まりさへ目つぶしをした。 「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」 ざまみろ そして、数分後 今さっきまでの叫ぶ声はなくなり、 呻き声などが聞こえ始めた。 「お”み”ずち”ょ”う”だ”い”い”い”い”」 来た!来た来た来た! ついに最後の〆の時が来た。 俺は興奮して、ゆっくり一家に喋り掛けた。 「水がほしいのか!! いまあげるぞ!!」 「ゆゆ・・・ありがとうおじさん・・・」 「ゆ”う”・・・」 もう死にかけである。 俺は、バケツにいっぱい水を汲んで来た。 「今やるぞ!!」 手で水をすくい、三回、水を入れてやった。 「ゆぅー」 「このくそじじい!!れいむをゆっくりしないでだしてね!!」 「じじいはさっさとしね!!!」 俺に文句を言い始めた。 そろそろ、とどめをさすか。 そう思い、水をすくって薬缶の中に入れてやった。 大量の水だ。 そして、蓋をした。 「ゆ”ゆ”!!く”ら”い”よ”!! あ”づい”よ”!!!」 「あのくそじじい!ま”り”さ”の”め”を”つ”ぶし”た”ん”だぜ!しね!!」 今さっき目を潰された親まりさは、恨みを込めて一家全員へと喋っていた。 暑さ防ぎにされている子ゆっくり達は、聴いていない。 俺は、コンロの火を強火にした。 「ゆ"!む”じあ”づい”よ”!!」 「れ”い”む”の”がら"だが!!!」 「あ”づい”ん”だぜ!!」 そう、今さっき俺が入れた水でゆっくり達は蒸されているのだ。 皮はブヨブヨになり、中の気温も上昇し、 ゆっくり達にとっては地獄だ。 さすがに親まりさも、熱い熱いと言い始めた。 数分後 俺は、ゆっくり達の声が聞こえなくなったので薬缶を開けてみることにした。 すごかった。 中のゆっくり達は、どろどろに溶けて原形をとどめてない。 髪飾りのリボンや、帽子が、どろどろに溶けた餡子に入っていた。 俺は、お餅を入れてお汁粉にすることにした。 「いただき・・・もす・・・!!」 灼熱という地獄を味わったゆっくり達の味は格別だった。 甘い。とにかく甘い。 俺はぺろり、と食べきってしまった。 「次は・・・、アリスのクリームでクリームパンでも作るかな」 俺はニヤニヤと笑みを浮かべた。
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注意俺設定 って書いてあるssが多いけど俺設定じゃない虐ssってあるんだろうか? 文章下手だよー、見にくいよ、誤字脱字は許してねー。 主観がころころ変わります。 ネタかぶり乙・・・すいません。 長編です。5,6分割してゆっくり仕上げたいと思っています。 それではどうぞ。 その群れは全滅の危機に瀕していた。 すでに木枯らしが吹き始め、木々の色は赤色から茶色へまるで老けるかのように変わっていった。 普段ならそろそろ越冬の準備を終え、巣を塞ぐ作業に取り掛からなくてはならない時期だ。 しかし、この群れでは未だに越冬できるまでの餌すら集まっていない状況である。 「ゆ、このままじゃ冬を越せないよ。」 そういうのはこの群れのリーダーを務めているまりさである。 この群れは現在100匹程度のゆっくりがいる。 ドスはいないが今までは近くに外敵が存在しなかったのでそれなりに長い期間ここに巣を構えていた。 しかし最近では幾分か状況が違ってきた。 まず、今まで群れの中心の役割を果たしていたゆっくり達が突然いなくなってしまったこと。 二つ目に急に人間がゆっくりを狩り始めたこと。 三つ目にすっきりが重なって人手(ゆっくり手?)がいる時機に動けるゆっくりが非常に少なくなったこと。 四つ目に急激に群れの人口が増えたことによる周辺の餌の乱獲である。 様々な状況が重なり今の状況になっていた。 このリーダーのまりさは前リーダーが失踪してこの群れの崩壊を感じ取っていた。 そして、この群れをまとめる為にリーダーを買って出た リーダーを急に失くした群れはすぐに好き勝手に自分の欲望を果たそうとし、 その結果蓄えを全て使い果たし、群れの数もすぐに倍までに膨れ上がった。 このまりさがリーダーを名乗り出なければ、この群れはすでに崩壊していただろう。 しかし、このまりさはリーダーになったはいいもののなぜ群れが越冬出来なくなるほどに追い詰められているかが理解できなかった。 今まで道理に餌を集めてなぜ餌が集まらないのだろう? 「なんでえさがあつまらないんだろ?」 と親友のぱちゅりーに疑問を投げかける。 このぱちゅりーは子供からの幼馴染的な存在であり、その博識さにまりさは一目置いており参謀役を頼んでいる。 「むきゅぅ、なぜかしら・・・まえよりみんなたくさんえさをとっているはずなのに・・・。」 「このげんいんはまえのおさのせいなんだぜ!まりさたちをこんなにくるしめるなんてさいていのりーだーだぜ!」 「そうだねー。ゆっくりできないおさだったね。わかるよー。」 今この場には群れの中心のゆっくりが5匹程集まり、今後の行動方針を話し合っていた。 といっても解決方法どころか問題点すら分からないようで、いつものことのように前のリーダーの 性で餌があつまらないという責任の押し付けに話題は変わっていた。 ちなみに前長を含む幹部達は非常に優秀なゆっくりであった。・・・あくまでゆっくりにしてはだが。 越冬も幾度か経験し、貯蓄の概念も持ち始め、冬場は人手が必要なので普段は狩に出ない母ゆっくり にも狩にでるように促したりもしていた。(この指示が結果として冬場の人口爆発を防いでいたのだが。) その貯蓄を全て無為に消費し、越冬のために餌を貯蓄しないでいるのは間違いなくこの若い幹部の責任である。 とはいえ、前長の失踪は唐突であり通常行われるはずの知恵の継承がされていなかった。 若い将来の長の候補ゆっくりは現職の長の元で雑用などをこなし、その業務について学んでいく。 それらなしにいきなり若い幹部候補は幹部になってしまったので、今まで長年培ってきた 知識が全て失われてしまった。 しかし、原因は分からぬがこのままでは冬を越せないことは現在の貯蓄量から確かであった。 「ゆっへっへっへ、おこまりのようだぜ。」 暗くなった場に場違いな、野蛮さをにじませた声が響く。 幹部達が声のする方向へ目をやると、そこに一人のまりさがいた。 「ゆゆ、まりさがなんのようなの?」 長のまりさ怪訝な表情をそのまりさに向けた。 このまりさは群れの中には必ず出てくる外れ者 所謂アウトローを気取って働きもしない怠け者(と幹部達は思っていている)である。 普段はこんなまじめな場どころか群れ全体の集会(幹部の決定などを発表する)にもでてこない。 しかし、群れの若いゆっくりには非常に人気が有り幹部達はこのまりさに良い感情を持っていなかった。 「えさがふゆをこせるほどあつまってないんだぜ。このままじゃまずいんだぜ。」 「ゆゆ!!・・・なんでそのことを。」 「そんなのすぐわかるんだぜ。そこでていあんがあるんだぜ。」 「ゆゆ・・・ていあんってなに?」 「ちょっとまえにまりさがたびにいったときのことをおぼえてるか?だぜ」 「ゆ、おぼえてるよ。あのときはもうぜんいんゆっくりできなくなってるかとおもったよ」 このまりさは東の方角に仲間(ここで言う仲間とはまりさの悪い友達に当たるのだが) と一緒に2週間ほどの旅に出かけていた。 2週間はゆっくりたちにとっては非常に長く、群れの皆はもうまりさは死んだと思っていた。 しかしまりさは昨日生きて帰ってきた。ただし一緒に出発した仲間は一緒ではなかった。 「そのたびでまりさはすごいゆっくりぷれいすをみつけたぜ!」 このまりさが言うにはこの群れから7日ほど歩いたところににおいしいやさいが たくさん生えている、恐らくこの群れ程度ならかなりの長い期間養える 最高のゆっくりプレイスがあるということだ。 「おやさいが・・・たくさん・・・。」 以前この長のまりさはおやさいを一口だけ食べたことがあった。 それはいつも食べている草などよりも甘くとてもおいしかったことを覚えている。 思わずそこにいる幹部達は全員そのときの味を思い出してよだれをたらしてしまった。 しかし、後にも先にも野菜を食べたのはそれきりであり、それがたくさんあるとはにわかには信じがたかった。 「わからないよーそれはほんとかなーわからないよー。」 「そうだね、しんじられないよ。それにそこまでいったならなんでおやさいをもってこなかったの?」 長のまりさの言うことは最もで、 その発言は言うならば海賊が一面の金銀財宝をこの目で見たと一般人に吹聴するようなものであった。 「ゆ、やまほどあったからなかまたちにおやさいをはこばせてまりさだけさきにかえってきたんだぜ。 たくさんのおやさいをはこんでるからまりさよりずっとゆっくりこっちにむかってきてるんだぜ。」 「ゆ!?ほんとに?」 それがほんとうならば食糧問題は一気に解決する。幹部達はまりさに詰め寄る。 「むきゅ??なんでひとりだけでもどってきたの?おやさいがたくさんあるばしょがわかったのなら ゆっくりもどってくればよかったじゃない?」 ぱちゅりーの疑問はもっともである。たしかに群れとしては食料事情はひっ迫しているが、 まりさ個人(?)に関して言えば目の前にわざわざお宝の山があるのにひとりだけお野菜も食べずに 戻ってくるのは普段の素行からして考えられないと幹部の皆は思っていた。 「ゆったぜ?このままじゃまずいってだぜ。」 「ゆん!?」 長まりさは気づいた、このまりさは群れのためにおいしいおやさいを食べずに群れまで急いで このことを伝えに来てくれたのだ。 ぱちゅりーや他の幹部達もこのことに気づいて尊敬の眼差しでまりさをみつめた。 「ゆぅ・・・まりさ。」 「だぜ。まぁこんなさびれたむれでもうまれこきょうなんだぜ。」 とまりさは照れたようにそっぽを向きながらつぶやいた。 「ゆぅ・・・。」 長まりさは胸に暖かいものが宿るのを感じた。 そして、そのまりさの献身を無駄にしないためにも早く行動しなくてはならない。 「ゆん!それじゃおやさいがたくさんあるゆっくりぷれいすまでえんせいをするよ!!」 そう、猛々しく長まりさは宣言した。 続く いやね、わざわざ遠征するのにゲスまりさが仲間に野菜を持ち運びさせたのは 野菜がたくさんあるという証拠を見せたかった。 しかし長はゲスまりさのいうことを信じたってことにしておいていただけますか。 後この群れは人間という存在は知っているけど会ったこと無いということでお願いします。 このSSに感想を付ける
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最近つくられたその施設は、甘い香りで満たされていた。 「ようこそ、おいでくださりました」 年配の男が一人、立ち上がって少女を迎え入れる。 その出迎えに、少女は恐縮気味にぺこりと頭を下げた。 「すいません、ご多忙の折に無理をいってしましまして」 「いえいえ、構いませんよ」 営業用の笑顔が男の唇に浮かぶ。 「では早速ですが、先日のお約束どおり、今日はうちの施設についてご案内いたしますね」 「お願いします」 簡潔な了承を得て、男は施設の奥へと少女を伴って歩き出した。 ついていこうとする少女。 ふと、真鍮のプレートが視界に入る。 『ゆっくり加工所』 そこが、少女の目的の場所だった。 「ここが、捕獲した『ゆっくり』の貯蔵庫です」 男が背の高い柵を指差していた。 柵の隙間には、押し付けられて膨らんだ顔が並ぶ。 「ゆゆゆ……」 少女が上から覗くと、中にひしめき合う「ゆっくり霊夢」と「ゆっくり魔理沙」の一群。三十匹はいるだろうか。 これは、最近幻想郷で見かけるようになった奇矯な生き物たち。 発生源や種のあらましもまったく不明だが、よく似た顔の実在人物とは関係がないことと、中身が餡子などでできていることだけは知られていた。 幻想郷の甘いものが好きな庶民にとっては、甘味を手の届きやすい値段に押し下げた恩人たちといっていい。 そのゆっくりたちは押し込められ、柔らかい体をひしゃげながら、視線の定まらない瞳で虚空を眺めていた。 「ゆっくり?」 が、その瞳に少女の姿が映し出されるなり、一斉に騒ぎ出す。 「おねーさん、ここからだして! おなかすいたよ! おうちかえる!」 ぽろぽろと涙をこぼしながら、柵をぎしぎしと揺らすゆっくりたち。 「ここにいるのは、全て捕獲したものですか?」 「ええ、お客さんの中には天然ものがいいという方もいるので」 少女と男の会話に、ゆっくりの必死の言葉を意に介した様子はない。 「私なんぞは味にうといものですから、繁殖したものと天然ものの違いなんてわからないのですがね」 ハハハと乾いた笑い声を上げる男。 少女も、お愛想の微笑で応じる。 男は冗談が通じたことに一応の満足。 「では、次はその繁殖場面へご案内します」 「はい」 二人、ゆっくりに背を向ける。 「ゆ! ゆっくりしていってよー!!!」 柵をびりびりと震わす声も、扉を閉めるとかすれて消えていった。 「繁殖の成功と効率化は、この事業が成り立つための最大の課題でした」 しみじみと男は呟く。 男と少女の二人が並んで立つのは、背の低い柵の前。 その中には、ゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙が一匹づつ紐で結ばれて転がっている。 「最初に繁殖に成功したのは、この組み合わせです。ですが、問題がありまして」 言うなり、男は無造作に柵に手をつっこむ。 「ゆっ!?」 そのまま、二匹をわしづかみにするなり、手首をぶるぶると小刻みに振るわせ始める。 「ゆー!!! ゆー!!!」 揺すられるがまま、甲高い声を上げ始める二匹。 「ゆー、ゆー、ゆーっ!」 やがて、声がとろんと艶をはらんでいく。 男の手首がさらに激しく蠢動を重ねると、ゆっくりの口がだらしなく開かれ、赤みが濃い色彩を帯び始めた。 「ゆゆゆゆゆゆゆ」 目つきが熱を帯びたところで、男は手を止めた。 「ゆ? ……ゆっくりしていってー!!!」 切なげな声が男の手を追いかけるが、すでに男は少女と向き合っていた。 「こうやって発情させた後、二匹だけにして暗がりに放置しないと繁殖を始めないので、手間がかかる上、数を増やせないという欠点がありました」 「なるほど」 「ですが、ここで繁殖力旺盛なゆっくりアリスという新種を発見したのが事業の転機となりました。今日、ちょうどその繁殖予定日となっています」 男が部屋の奥に視線を投げると、その視線を受けた従業員らしき男が両手にゆっくりを二匹抱えて近づいてくる。 ゆっくり魔理沙より短めの金髪で、赤いヘアバンドが目を引く、珍しいゆっくりだった。 従業員は、柵の中へゆっくりアリスを放り投げる。 「ゆっくりしていってね!!!」 本能なのだろうか。 突如あらわれた同類を見るなり、ゆっくり魔理沙は大きな声でご挨拶。 だが、次の瞬間、表情が固まる。 「まっまっまっ、まりさ!!!」 弾けるように、二匹のゆっくりアリスは魔理沙の元へ。 「ゆ゛っく!?」 定番の台詞も、密着したアリスの頬に邪魔されて満足に動かない。 「ゆ゛っ……ゆ゛っゆゆっ!!!」 それでも懸命に台詞を口にしようと足掻くゆっくり魔理沙の上に、もう一匹のゆっくりアリスが容赦なくのしかかる。 もはや聞こえてくるのは、ゆっくりアリスの荒い息遣いのみ。 ほほをすりあわせて、よだれをこぼしていたアリスも、ぐいぐいと魔理沙を壁際に押さえつけて動けなくする。 壁に押し当てられた魔理沙は、苦しいのかようやく涙がぽろりとこぼれ、間近でその様子を見るはめになったゆっくり霊夢は柵の隅でガタガタと震えだす。 「い゛、い゛や゛あああ」 ゆっくりしていられない、ゆっくり魔理沙の悲鳴。 それも、アリスの声でかき消されていた。 「ゆっくりイってね!!!」 紅潮した声でそろって叫ぶアリスたち。 途端に、ぶるぶると小刻みに震えだした。 「あ、ちょうど繁殖がはじまりましたね」 こともなげに解説をはじめる男。 「もうすぐ、押さえつけられている方が白目を見開いて、裂けそうなほど口を開いた驚愕の表情で固まってしまいます。 そうなると、この個体は徐々に黒ずんで朽ちるのみですが、その頭から蔓のようなものがのび、その先に複数の同種が実ります。ゆっくりアリスの素晴らしい点は、そうなるとすぐに次にゆっくり霊夢で生殖行動を続行することですね」 手馴れた口調で説明を重ねるが、一向に少女の反応はない。 「あ、お嬢さんにはちょっと嫌な光景でしたか。申し訳ありません」 少女の肩が心持ち震えていることに気づいて、男は慌てて謝罪する。 気丈に、少女は微笑んだ。 「いえ、そのことではありません。それに、お願いしたのはこちらですから、お気遣いなく」 男は頭をかきつつ、少女の気遣いに痛み入る。その間にも「ゆっゆっ」と気ぜわしい声が聞こえていた。 「では、こちらはここで切り上げましょう。次は繁殖に成功して増産したゆっくりを使った飼育事業についてご案内します」 異存はない。 「んほおおおおおおおおおおおおお!」 切なげな絶叫が響く部屋を後にする二人だった。 男に案内されたのは、屋外の小屋だった。 いや、二階建ての家屋に等しい大きさでは小屋と言い難い。むき出し木の骨組みと、壁の代わりに金網で覆っただけの粗末なつくりは、小屋そのものではあったが。 男は、ここを厩舎と呼んだ。 「今日は曇り空なので何も覆っていませんが、この生き物は日差しに弱いので、晴天時は上にシートをかぶせています」 そんな説明を聞き流しながら少女が厩舎に近づくと、中から獣のうなり声が聞こえてきた。 「うー! うー!」 奇怪かつ陽気な声に近づいてみれば、ゆっくりの顔の両脇に蝙蝠の翼を生やした、謎の生き物がふわふわと飛んでいる。 「肉まん種の、ゆっくりれみりゃです。ご覧の通りある程度飛べるので、この厩舎は全体を金網で覆っているのですよ」 「ずいぶんと機嫌がよさそうですね」 少女の言葉のとおり、れみりゃは鼻歌が出そうなニコニコ顔で飛び回っている。 「さっき、餌のゆっくり霊夢を与えたからでしょう」 「ゆっくりを?」 「ええ、出荷間近なのでゆっくり霊夢を餌に与えています。味がよくなるとのことで。れみりゃは高級食材などで引く手あまたですから、十分元がとれるといわけです」 なるほど、少女はれみりゃの毛並みの良さの理由がなんとなくわかった。 「大切に育てられているのですね」 「ええ、肉の質を高めるために運動も欠かさずやっています」 男の言葉が合図だったかのように、突然れみりゃが動きを止めた。 れみりゃの視線の先には、れみりゃよりも一回り小さな金髪のゆっくりが一匹。異様さでは類を見ないゆっくりだった。 翼らしきものはあったが、宝石を並べたような代物。瞳は見開いた真紅。 「ゆっくりフランです。」 男にその名を紹介された異種は、れみりゃの周りを満面の笑みで飛び回る。 れみりゃもあどけない笑顔で向き合ってはしゃぎまわっていた。 傍目には、仲睦まじい姉妹かナニカのように見えるのだが。 しかし、それは突然だった。 「ゆっくりしね!!!」 フランの口から拳のようなものが伸び、れみりゃの顔面中央に突きささる。 その拳に顔面をへこまされたれみりゃは呆然と身動き一つしない。 拳がフランの口に戻ってから、ようやくぽろぽろぽろと、とめどなく流れる涙。 「……! ……!!」 口は嗚咽にゆがんで、動転を言葉にする術を知らぬよう。 「うー! うー!」 ただ一匹、フランのみが楽しげに笑っていた。 フランは、再びれみりゃの正面に向きなおる。 「うあー! うあー!」 泣きながら逃げ回るしかないれみりゃ。 「ご覧の通り、なぜかフラン種の方が強いので、フランにはれみりゃを追っかけ回す役をさせています。他にもれみりゃの誘導など、とても助かる存在ですよ」 「牧羊犬みたいなものですか」 少女の言葉に、我が意を得たりといいたげな男の微笑み。 「さて、お次は最後。ゆっくり霊夢、魔理沙からの餡子の回収方法です」 ついにその時がきた。 少女は腕に抱えるそれをぎゅうと抱きしめる。 遠めにもわかる、巨大なゆっくりが部屋の中央の檻に鎮座していた。 その体躯は、高さだけでも少女の背を越していた。 横幅も広く、その重量は計り知れない。 「あれが、巨大種。ゆっくりレティです」 ぷっくりと膨らんだその生物を、男は指差す。 「雑食性ではゆっくりユユコに及びませんが、許容量ではゆっくり一でしょう」 この巨体を前に、男の声は説得力に満ち溢れている。頷くしかない少女。 ゆっくりレティは眠っているのか、目を閉じてくうくうと静かな呼吸音を奏でていた。 遠目には可愛らしいのだが、巨体の異様さは拭いがたい。 「今、先ほどの食料を消化中なのでしょう。そろそろ、お腹が空いて起きる頃です。ちょっとお待ちください」 その言葉を残して、男が部屋から姿を消す。 しばらくして、男はゆっくり霊夢を一匹抱えて戻ってきた。 「おじさん、今日もゆっくりしようね!!!」 その言葉と、黙って抱えられている様子に、ゆっくり霊夢の男への信頼が伺える。 恐らく、その無垢な信頼感は繁殖から育てたゆえだろう。 推察を重ねる少女へ、男は静かに語りかけてきた。 「では始めますよ」 少女の頷きを確認するなり、レティの檻に放り投げられるゆっくり霊夢。 「ゆっ、ゆっくり!?」 遠ざかっていく、ゆっくり霊夢の驚愕の表情。 レティの体躯にあたり、ぽよんとはねて転がる。 同時にのっそりと動き出すレティ。 「ゆゆゆゆゆゆっくりしていってね!!!」 一目散に檻の入り口へ。 しかし。 「早く扉を開けてね!!! 」 すでに男によってロックされた後だった。 地面が揺れる。 ゆっくりレティが飛び跳ねながら近づいてきていた。 「おじさん! ここから出して! もっと、ゆっぐりじだい゛いいいい!!!」 「レティ種は鈍重なので扱いやすいのが利点となります」 扉越しの哀願も、男の穏やかな眼差しを動かすことはできない。 やがて、ゆっくり霊夢の上に差す巨大な影。 レティが、真後ろにいた。 ゆっくり霊夢の顔がくしゃくしゃに歪むのと同時に、開けっ放しのレティの口から分厚い舌がのびる。 霊夢は瞬時に舌に巻き取られた。 「ゆっくりした結果がこれだよ!!!」 悲しげな絶叫を残して、ぺろんとレティの口の中へ。 少女は見た。 飲み込もうとしたレティの口の中にうごめく、何匹ものゆっくりたちを。 レティのベロに抑えられて身動きもできず、滂沱の涙を流して視線を男に向けている。 「レティ種は、リスのように食べきれない分を頬に貯蔵して蓄える癖があるんです。最長で二週間は保存されていますね」 ゆっくりたちの視線に、男は興味を示さない。少女に自らの事業を説明することの方に傾注している。 「餡子の回収は、レティが熟睡した後に、後ろに穴をあけて搾り出します。定量を絞ったら、塞いでまたゆっくりを与えるのです。秘伝のタレを継ぎ足し、継ぎ足し使っている焼き鳥屋を思い浮かべてください」 言われてみれば、寝床に戻るレティの後頭部に隆起部分が。 「ちなみに、一度レティ種に消化させることで、甘味がまろやかになって質がよくなることと、混ざり合うことでの品質の均一化が図れます。生産者にとって大切なことは、量産性と高品質、そしてその維持です。このシステム構築は、私の ゆっくり業者としての矜持なのですよ」 誇らしげな男の言葉が少女の印象に強く残っていた。 職業人魂。 男の言葉を、少女は強く理解できる。 なぜなら、自分も人形という分野で職人的な魂に触れているからかもしらない。 そう。少女は、アリスだった。 可憐な彼女には場違いなその加工所を後にしたアリスは、夕焼けの空に時間の経過を知る。 「今日はずいぶんと大人しかったわね」 一息ついて、見学の間中、両手に抱えていたソレに今日初めて話しかける。 「それにしても、いいお話が聞けたわ、魔理沙」 アリスの腕の中でぶるぶる震えているその生き物は、正確には魔理沙ではない。 数ヶ月前、魔法の森で捕まえたゆっくり魔理沙だった。 「でも、今から震えてどうするの? 魔理沙をあそこに預けるのは、明日よ」 アリスの真顔に、冗談のニュアンスは欠片もない。 「い゛や゛あ……」 ゆっくり魔理沙からこぼれる弱弱しい悲鳴を聞きつけて、アリスは嬉しげな顔を紅潮させる。 「だって、私があんなに優しくしてあげているのに、あなたは逃げ出そうとするんですもの」 言いながら、息も荒くなる。 「だったら、あそこでゆっくりしていってもらうだけよ」 「い゛や゛だあああ! ゆ゛っぐり、じだくない、じだぐないよおおおお!」 「あらあら、ゆっくりにあるまじき言葉ね」 涙やらなにやらで醜く濁ったゆっくりの言葉を、恍惚の表情でまぜかえすアリス。 「どうしても嫌だというのなら、仕方ないわね。その代わり、わかっているかしら?」 「うん! つねったり、踏んだり、……しても、いいから!」 しゃくりあげながらのゆっくり魔理沙を、アリスは一転して慈母の笑みで見つめる。 ぎゅうと、愛情をこめて抱きしめつつ話しかける。 「そこは『いいんだぜ』にしなさい」 「わっ、わかったぜ!!!」 「ああ、本当に可愛い、魔理沙!」 宵闇が迫る夕べを背景に、一つに重なる影。 何やら、それなりに幸せそうな一人と一匹であった。